2004年のこのミステリーがすごい1位。
2004年の本格ミステリベスト10で1位。

「葉桜の季節に君を想うということ」
 (歌野晶午) 2003年


あらゆる賞を総なめにしたという
評判が高い本作。
叙述トリックを語る時に
はずせない名作らしい。
それなら読まなくてはと思い
手にとって一気に読了。
その感想を書きます。

 

あらすじ

「何でもやってやろう屋」を自称する
俺、成瀬将虎
フィットネスクラブで体を鍛えては
まだ見ぬ理想の女を求めて
欲望のまま女を漁っていたが
駅のホームで飛び込み自殺しようとした女
麻宮さくらを助けたことがきっかけで
俺の運命は動きはじめる。

ある日
高校の後輩のキヨシの頼みで
彼が密かに惚れている久高愛子から
「おじいさんがひき逃げされたの」
「保険金殺人かもしれない」
久高隆一郎の死の調査と
高い金額で布団や健康食品を売りつける
蓬莱俱楽部』の調査を依頼された。

そんな時に
命を救った麻宮さくらから電話があり
会って丁寧にお礼を言われる。
俺はこの時まだ
さくらのことは何とも思ってなかった。
しかし自殺するほどの何かが
あるのだからと微妙に気になりはじめる俺は
さくらと何度かデートするようになる。

話は遡って俺が19の頃。

俺は探偵事務所の見習だった。
ヤクザの内臓が
引きずり出されて殺される事件があり
所長の命令で
殺されたヤクザの死体の真相を
突き止めるため
対立するヤクザへ潜入捜査に
行くことになった。

そこで再び発生する
内臓を引きずり出された残酷な死体。
犯人は女なのか?
消えたコンドームは?
謎の残ったまま
犯人の自殺というかたちで終わる。

話は戻って
保険金殺人の調査に。
俺は蓬莱俱楽部の地方巡業の説明会に
妹・綾乃と2人でもぐりこみ
幹部の携帯から電話番号を入手する。

電話番号から住所を探り
蓬莱俱楽部のビルを清掃する清掃員に
なりすましてチャンスをうかがうことに。

話はまた飛んで
2年前に起こった出来事へ。

俺の飲み仲間の安さんから
昔別れた女房の
今年17歳になる娘がどうしてるか
調べてほしいと頼まれた。

調査の結果
娘の千絵ちゃんは
病気の母を助けて
居酒屋を一人で継いでいるようだ。
事実を安さんに告げると
ショックを受ける安さん。
それ以来、俺たちは
疎遠になってしまった。

そして
保険金殺人の調査へ戻る。

清掃員として働いていた俺は
ドジをして蓬莱俱楽部の幹部に
捕まってしまった。
絶体絶命のピンチに
火災報知機が鳴り出し
俺はある人に助けられて
命からがら逃げ出した。

麻宮さくらだった。
俺を心配してついて来ていたらしい。
「もうあそこに行かないで」
と懇願するさくら。
俺は彼女にキスをした。

どうやら俺は
さくらのことが
好きになってしまったらしい……

 

 

解説

蓬莱俱楽部の調査をメインに
過去のヤクザ事件と
久高隆一郎殺しの事件
安さんの娘探しの物語が
混ざりあって
最後に意外な真実に到達する。

読者の「思いこみ」を利用した
強烈などんでん返しがあり
終盤では
驚きの連続に唸らされる。

海外の作品に
同様のトリックがあるが
あちらがラスト1行で
逆転サヨナラホームランくらった
衝撃なのに対して
この葉桜は
3者連続タイムリーをくらったような
たたみかけるどんでん返し。

読後の後味の良さもあり
人におすすめしたい本です。

 

 

感想

すごく楽しめました。

最後の方はハラハラして
え?どーゆーこと?って
ページをめくる手が止まらなくなった。
最初の方を読み返して
そうか、そうだったのかと
感心してしまった。

感情移入できない人もいるみたいですが
俺はこの主人公の将虎に
共感できたけどなぁ。

借金まみれでドン底で
光も見えないさくらに
「もう体は売るな」
「でも、他に方法がありません」
「俺がどうにかする。だから体は売るな」
「でも、どうにかするって……」
「これ以上自分を傷つけるな」
と言って抱き寄せるシーンは
思わず泣きそうになった。

あと、
本の最後にある解説を
先に読むタイプの人は
解説にネタバレっぽいのがあるから
先に読まないでね。

数々の賞を受賞したから
本格ミステリーかと期待して読むと
肩すかしをくらいますし、
amazonのレビューでも
★1~5まで綺麗にばらけた評価の
賛否両論の問題作です。

気持ちよく騙されてやろう
という人はこの本は
期待通りだと思います。


★★★☆☆ 犯人の意外性 
★★☆☆☆ 犯行トリック   
★★★★★ 物語の面白さ  
★★★★★ 伏線の巧妙さ    
★★★★★ どんでん返し 

笑える度 -
ホラー度 -
エッチ度 ◎
泣ける度 △

総合評価(10点満点)
 9.5点







 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


※ここからネタバレあります。
未読の方はお帰りください。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

叙述トリックの最高峰

この作品の最大の売りは
終盤のどんでん返し。

登場人物を
若者だと思わせておいて
ほとんど全員が高齢者だった。

成瀬将虎70歳
麻宮さくら(古屋節子)も70歳
時田綾乃68歳
芹澤清63歳
久高愛子68歳

これは文章だけの
姿の見えないことを利用した
騙しのテクニック。

ミスリードが豊富に使われている。

 

水色はミスリード緑色は伏線です。

まず冒頭で
将虎のセックスシーンから入るから
どうしても20~30歳で
イメージしてしまう。
②将虎の一人称も「俺」なので、
若々しく感じる。

そして、
若いイメージを決定づけたのは
③「キヨシの設定
ここにみんなやられたはず。

キヨシこと芹澤清が俺のことを先輩と呼ぶのは、たんに俺が七つ歳上であるからではない。やつは今現在都立青山高校の生徒で、俺は同校のOBなのだった。
彼とはこのクラブで知り合った。高校が同じということもあってかウマが合い、トレーニングの帰りに一緒にお茶を飲んだりコンビニに立ち寄ったり、時には先輩風を吹かせて六本木で一杯おごってやることもある。(P.20)


このキヨシが高校生という設定が
最初の騙されポイント。
実際は60歳で会社を辞め、
定時制の高校に通っている
63歳のじーさんだった。

キヨシが将虎に電話してきた時に
④綾乃が「受験勉強ははかどってる?」
「大学受験」のことを
臭わせているから
キヨシは「高校3年生(18歳)」で、
そこから計算して
7歳上の将虎は25歳くらいだと
読者は想像してしまうだろう。

さりげなく
「六本木で一杯おごってやる」
キヨシが未成年ではない伏線も張ってあるが
アダルトビデオを自分で借りれないところや
スキンヘッドの出で立ちといい、
不良っぽいからスルーしてしまう。


第二の騙されポイントが
⑤久高愛子の「おじいさん呼び


おじいさんが死んじゃったの
という愛子。

<素直な読者>
キヨシ(18歳)が恋してる愛子が
「歳上の女」なら20歳くらい?
隆一郎おじいさんが死んだのか……


<実際>
キヨシ(63歳)が恋してる愛子が
「綾乃と同い年」の68歳。
愛子の夫・隆一郎が亡くなった……


このギャップ。
愛子は夫を「おじいさん」と呼ぶ。
老夫婦が年齢を重ねて
こういう言い方に変わるのは
(まあまあ)あることなので
これは一応わかる。

しかし愛子は家に入る時に
⑥「おかあさん、お客様をお通しします」と
声を掛けている。
自分の娘に「おかあさん」と言うのは
狙いすぎてる気もするが、
孫がいるならまあわからんでもないが

少し苦しいか。
20歳の孫娘がいて

この人物を愛子だと読者に思わせている。

 

愛子がフィットネスクラブを休んだ時、

お見舞いに行きましょうと意気込むキヨシに

「気持ちはわかるが、彼女には――」

将虎が渋ったのは、

愛子には旦那さんがいるから

迷惑だと言いたかったのである。

それに対してキヨシは

「彼女に⑧ステディがいようが関係ない」と

恋人がいるような言い方で錯覚させている。

蓬莱の日高が綾乃を
「オネーサン」と呼ぶのは
サービス業の定番だが
若いと思わされる補足になっている。

 

 

高齢者だと見抜けるか?

将虎がアクティブすぎて
老人のイメージがないが
ところどころに伏線はある。

蓬莱俱楽部の実演販売に紛れたり
掃除夫に変装しても違和感がない。 

  • 高齢者だから。


気候の急激な変化で風邪をひいたり、
勃起しなかったり、
転倒して骨折してしまう。 

  • 高齢者だから。


麻宮さくらの言葉遣いがやたら丁寧。

  • おばあちゃんだから。


キヨシがタバコを吸う。 

  • 未成年ではないから。


キヨシがスキンヘッドなのに
後ろ髪がある。 

  • ただハゲてるだけ。


綾乃の髪型が金髪でちりちりパーマに
赤いメッシュが入っている。(P.47) 

  • ギャル……ではなく、よくいる派手好きおばあちゃん。


綾乃がデオドラントスプレーを
将虎の目の前で
恥ずかし気もなく使用する。(P.49) 

  • 加齢臭が気になる。もう恥ずかしさもない年齢だから。


地方巡業で蓬莱の日高が
綾乃に「腰痛持ちじゃない?」
「冷え性は?」と聞かれる。(P.193)

  • 他人から若く見えてないことを意味する。


将虎の携帯電話が「F6なんとか」(P.44) 

  • NTTドコモのらくらくホン「F61es」。らくらくホンは初心者や高齢者向けの機能がついた携帯電話。


助けに来たさくらを
「チャーリーズ・エンジェル」の
ジル・モンローに例える。(P.313) 

  • キャメロン・ディアスのリメイク映画版が2000年公開。そっちではなくテレビドラマ版は日本では1977年に放送された。しかもジル・モンローはシーズン1がメインなので例えが古い。


風俗の客引きが将虎に
「社長!」と声をかけてくる。(P.251)

  • 70のじーさんですから。

 

麻宮さくら=古屋節子

もうひとつ重要な叙述トリック。

蓬莱俱楽部に
利用されていた古屋節子が
麻宮さくらとして
将虎に近づいていたこと。

借金まみれの古屋節子と
自殺しようとした麻宮さくら。
境遇は似ているが
さくらが将虎に語った経歴に
すでに嘘が混じっている。

節子は
2人子供を産んでいるのに
さくらは
子供は1人だと言ったり、
子供を彼が引き取ったとか
難病の手術のために大金を借りたとか……
あえて古屋節子とは
まるで違う人生を騙っている。

そのため
「さくら=節子」は
なかなか結びつかない。
もちろん年齢が
大きく違う(と思わされてる)から
というのもある。

さくらはさくらで
将虎を安藤士郎だと思っていた。
そのためさくらに

「あなたは安藤でしょう?」
と言われた時に
読者は一瞬、
語り手が誰か混乱することになる。

それに加えて序盤から
墓を掘る男の回想が挿入されて
これは安藤の昔の回想なのか、
将虎の回想なのか
わからないようにしている。

結論を言うと、
語り手は最初から将虎で、
安藤士郎の年金を不正受給するために
安藤になりすましただけだ。
墓を掘ったのも
自分の回想だった。

ここで読者を
ははぁこれが叙述トリックだなと
一回油断させているのが巧いところ。
だからこそ、
このあとの高齢者の
どんでん返しが効果を上げている。

ちなみに
古屋節子と麻宮さくらを
同一人物と見抜けるような
具体的な伏線は
なかったように思う。

さくらは左目の下に泣きぼくろがあり
それを触る癖がある(P.92)。
節子が頬に手を当てる場面もあるが、
(P.327)
泣きぼくろがあるかどうかは書いていない。
 

 

ヤクザ時代のヒントから年齢を推測できる

途中に挿入される将虎の探偵時代。
ヤクザに潜入捜査に入った年。
この時の将虎は
19歳だったことが確定している。

その時の情報から
この時代がいつなのか
推測できないかやってみよう。

ヒントは
⑭「ジャイアンツが日本一になった年

十月に入り、ジャイアンツが見事日本一に輝いた頃には、戸島会の組織図が頭の中に叩き込まれ、組員の性格や癖もかなり把握できていた。(P.139)

しかし
ジャイアンツ日本一は回数も多い。

1951年←これが正解
1952年
1953年
1955年
1961年
1963年

1965年~1973年
1981年
1989年
1994年


この物語が2002年(平成14年)なので
ここまでが対象になる。
なんと18通りもあるではないか。

2000年にも日本一があるが
これが19歳だと
将虎は21歳になってしまい
7歳下のキヨシは14歳になってしまう。
中学生なので除外。

それに2000年の将虎は安さんに
パソコンを教える講師だったので
探偵のはずがない。

おそらく半分くらいの人が
2000年だと思っていたのでは?

次に⑮「対戦相手」のヒント。

ジャイアンツは優勝した。次はホークスを倒して日本一だ。なのにシリーズに思いを馳せる気分にならない。(P.132)

というから相手は南海ホークスである。
そうすると

1951年←これが正解
1952年
1953年
1955年
1961年
1965年
1966年
1973年


8つまで絞れました。
この時点で
2002年の将虎は若くても40歳になる。

2000年の相手は
福岡ダイエーホークスで
一応これも範囲に入るが
上記のキヨシ中学生で除外します。

次に⑯「秋分の日が月曜日」というヒント。

この日は月曜日だったが、秋分の日でもあった。(P.131)


秋分の日は9月23日ごろ。
年によって24日になることもある。

8つの年の曜日を調べて
秋分の日が何曜日なのかを
調べてみると……

1951年月曜日)←これが正解
1952年(火曜日)
1953年(水曜日)
1955年(土曜日)
1961年(土曜日)
1965年(木曜日)
1966年(金曜日)
1973年(日曜日)

え……これは!!?? 

すべてに当てはまるのは
1951年のみという結果に。

初読時にカレンダーを調べて
ここまで計算する奴もいないと思うが
将虎が高齢者であることは
ちゃんと手掛かりが出ていたことになる。

いやーすごいな。
これぞ本当に“隠してある伏線”って感じ。

 

欠点は?

  • 他の多くの方もレビューで書いてますが、作者が騙そうとしすぎて書き方がフェアじゃない部分がある。設定やセリフに関するミスリードが強引なのでそりゃズルイよと怒るのも納得する。
  • とくに「おじいさん」呼びは、家族内で呼ぶ時は使うことはあっても、他人に説明する時におじいさんと言うと勘違いされるから使わない。聖心女子学院のお嬢様である愛子がそんなミスをするだろうか。
  • オチがわかってから再読すると生理的に気持ち悪くなる人もいるようだ。
  • タイトルの綺麗さに反してセックスシーンから始まるのでちょっと引いてしまう。
  • トリックが物語の関係ない部分に仕掛けてあるのとヤクザ時代の話や安さんの話も本当に必要なのかと疑問。
  • 蓬莱倶楽部との決着が着かないので、終わり方がスッキリしない。

 

葉桜の季節

結局、
蓬莱俱楽部との決着はつかず。
この後のことは
読者の想像に委ねてある。

2人の身の安全を考えると
警察に保護してもらうしかない。
そのためには全てを話して
罪を認めて
刑務所に服役することになるだろう。

今70歳。
何年で出れるかわからないが、
やりたいことが残っているなら、
まだまだ遅くないと将虎は言う。

つまり何が言いたいのかというと、気持ちひとつなんだよ。やる気があれば年齢なんて関係ない。君はもともとバイタリティーのある人間なわけだしその気持ちを失わなければ、この先どういう境遇に置かれようと、悲観することはないんじゃないか。だいたい君は、歳だ歳だと嘆いているが、君は自分がいくつなのかわかっているのか?六十九だろう」
「七十になりました」
「現在の日本人女性の平均寿命を知らないのか?八十五歳なんだぞ。それまであと何年ある。十五年だぞ。なのにもう人生を投げてしまうのか?そんなに長い間、人生はもう終わったと、抜け殻のように暮らすのか?あるいは、これ以上生きていてもしょうがないと、自殺するのか?十五年だぞ。
十五年といえば、生まれてから高校に入学するくらいの長さだ。それを捨てる?もったいない!たとえ刑務所に入らなければならない事態になったとしても、まだ充分お釣りはくるじゃないか」(P.462)

七十年生きていても、知らないことはたくさんある。知らないことの中には、自分の適性や趣味に合ったことが隠れているかもしれない。それを知らないまま死んでいっていいのか?俺はやだね」(P.467)

二十歳の俺と七十歳の俺とで何が違うのかと、ときどき考える。
肉体的には明らかに変わった。顔も手も皺だらけで、みずみずしさを失い、皮膚が重力に負けて垂れ下がっている。髪はぱさつき、腰を失い、まだらな白髪は染めないことにはみっともない。眼鏡がないと新聞を読めず、テレビのボリュームも大きくしがち、物忘れもひどくなった。日々体を鍛えているものの、先日は簡単に骨折してしまい、否応なく年齢を実感させられた。
けれど、二十歳の俺も七十歳の俺も、ジャイアンツの勝ち負けに一喜一憂している。相変わらず負けず嫌いで見栄っぱり、車が好きで、つらい時には酒に頼る。女をくどく前にはドキドキし、二人きりになると抱きしめキスをしたくなるのも、二十歳の頃と何も変わっていない。(P.468)

 

そして、
人生を桜の木に例える。

「最近、桜の木を見たことがあるか?」
「いいえ」
「そうなんだよな、花が散った桜は世間からお払い箱なんだよ。せいぜい、葉っぱが若い五月くらいまでかな、見てもらえるのは。だがそのあとも桜は生きている。今も濃い緑の葉を茂らせている」
(P.466)

花が見たいやつは花を見て愉快に騒げばいい。一生のうちにはそういう季節もある。
葉を見る気がないのなら見なくていい。
しかし今も桜は生きていると俺は知っている。赤や黄に色づいた桜の葉は、木枯らしが吹いても、そう簡単に散りはしない。
(P.469)

 

歳をとると誰でも
自分はもう若くないからと
何事もあきらめてしまう。

元気があれば何でもできると
ある人は言いますが
まさにそれ。
要するに気持ち次第です。

体が動かない……
頭が付いて行かない……
だったら自分のペースで
ゆっくりやればいいじゃない。

葉桜の季節にも
まだまだ楽しむことはできるし、
楽しいことはたくさんある。
そう思わせてくれる作品でした。

 

 

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