そのためなのか、








私が護送車に乗り込む際には課長や私を逮捕したチーム員、








留置場の係官全員がM署玄関に集まって私を送り出しました。








幾人かからは、


「元気でな」

 

「がんばれよ」

 





などと声までかけてもらい、







まるで出所式のようでした。







もちろん官側からすれば捜査に関係した人々が被疑者を送り出すのは、









捜査の完結という単なる儀式なのかもしれませんが、








送られる側としては悪い気はしませんでした。



とにかく暇だったので担当者にパソコン購入のアドバイスをしたり、








おもしろい本を教えたり、







音楽について語ったりしていたので、







最後のほうはかなりフランクな間になっていました。



3ヶ月以上も滞在していたので、








多くの刑事や警察官たちと顔見知りになりました。









取り調べを行う刑事は本庁から来ているので留置場担当とは面識がなく、







彼らは取り調べの内容にはまったく立ち入ってこないため、







話題はもっぱら世間話や趣味の話でした。