Monarch Airline to London | Ready Steady Go!

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   ~ London Eye ~

翌朝は13時5分のフライトに搭乗するために10時半にチェックアウト、アリカンテ空港まで迷子にならないように慎重に地図を広げ、標識サインに集中。

問題なく予定通り空港に到着、いざチェックインカウンターへと向かうとすでに信じられないくらいのイギリス人たちの長蛇の列。

初夏のバカンスをスペインで過ごしたであろう家族連れやカップルやその他意味不明な団体さんなど、イギリス人は不況でお金がないと言いながらでも、年に4回ほど長期休暇を取る世界でも幸せな国民。

どんな状況でも気長に、まるでそこはパブでぬるいビールをちびちびと飲みながら談笑しているかのようで、まったく気にする事なくのんびりと過ごしている。

が、せっかちな私には我慢出来ず、2つのカウンター使用で片方のカウンターには30人ほどの行列だったので、150人ほどを尻目に列移動をして、まんまと軽く30分は早く搭乗手続きを済ませることに成功。

このイギリスの Monarch・モナークエアラインは、忘れもしない3年前のスペインで悪夢が舞い降りた時に私に親切に対応してくれた恩人であるのでした。

スペインでセカンドバッグまるごと盗難に合い、その後ロンドンに行く予定だったが、パスポートも航空券もクレジットカードも身分証明出来るものを一切持っていない私を、ロンドン・ガトウイック空港までのフライトに特例として搭乗させてくれたエアラインです。

本来であれば申請のために首都マドリッドの日本大使館まで行き、臨時のパスポート再発行手続き後、イギリス入国となるはずでした。

が、バッグを盗んだとんでもない輩のせいで金銭の持ち合わせもなく、バルセロナからマドリッドまで行き、パスポートの再発行まで勝手わからぬマドリッドで数日過ごすことなどとんでもない話で、必死でモナークエアラインのマダムに拝みに拝み倒してロンドンとの交渉を依頼、自分の両目を機械の焦点に合わせる最新の入国審査認証システム『 Iris Recognition Immigration System』の IRIS・アイリスに登録していることが絶対条件のもと、粘り強く交渉した甲斐あって搭乗許可を得た時の嬉しさは今でも覚えている。

過去30年の海外旅行の歴史の中で最大の災難に遭遇、ピンチ&ショックに陥った嫌な思い出も、ゲートから機内まではまるで犯罪者扱い的 ? ( パスポートも搭乗券もなしなので当然ではある ) ではあったが、このモナークエアラインには心から感謝しています。

本日は機材エアバス330型で300人以上が満席状態で搭乗、ロンドンまで約2時間半のフライトだが、通路を挟んだ左前に座る外国人男性の行動には目が点になった。

何と出されたサンドイッチをひとまず自分の脱いでいる左足靴の中で保管、右足にはドリンクカップを入れて、10分後くらいから何事もなかったかのように食べ始めた。

狭いシートでの保管場所としてアイデア的にはグッドだが、いくらラッピングされているとはいえ、如何せん見た目も衛生面からも、その後口に入れるのはどうかと思ってしまった。

他人が食べるものではなく、本人が口にするものだからどうこう言う筋合いのことでもないのかも知れないが、かなり世界は広しと言えども仰天した光景ではあった。

こんな外国人観察タイムを十分に楽しんだフライトも無事にガトウィック空港に到着、午後2時40分と予定では3時過ぎの電車でヴィクトリア駅に向かう予定でしたが、機内も込んではいたが、一瞬イギリス人に成り済ましパスポート入国審査へ向かいたくなるほど、到着したイギリス&EU 以外のパスポートイミグレーション前は再び仰天の大行列で思わず叫びたくなる。

どう見ても軽く1時間は掛かりそうで、下手すれば1時間半は並ばなくてはならないほどで、大行列の皆さんに一体何の為にどこからお越しになられたのか聞きたくなるほどで、再び気分は急降下。

ほぼふてくされ気味に列に並んでいたが、10分ほどしてひらめいたというか、思い出したのが先ほどご説明した入国審査認証システムアイリス。

何とラッキーなことか、これでこの大行列からもおさらばだと一気にスマイル、係員にアイリスの場所を尋ねると、何と彼女の口からは信じられない言葉が発せられた。

ここにはアイリスはない。

もちろん英語なので聞き間違えたかと念のために再度聞くが、彼女の口からは先ほどと同じ言葉、アイリスはない。

最近物忘れがひどくなった気がするがよくぞ思い出したと喜んだのもつかの間、結局長い行列の一員のまま途中トイレに行く事にも難儀して、やっとパスポートに入国スタンプを押してもらえたのは3時50分と最悪の想定通りとなり、急いで預けていた荷物をピックアップして、息も絶え絶えの状態で4時16分発の電車内に着席。

ヨーロッパ国内の移動と言えども、回数が増せば増すほど毎回予期せぬことが待ち受けている。

ここから先は慣れたロンドンなので電車の中では向き合った4シートをひとりじめして幾分リラックス出来るが、ヴィクトリア駅到着時間は5時頃とちょうど帰宅ラッシュが始まる頃で、大荷物を抱えて予約しているフラットまで一難去ってまた一難?が待ち受けているのかも知れない。

日本の常識が通用しない海外では、常に予期せぬ事が起こることを改めて実感した長い1日はまだまだ続きます。


cheers