あっと言う間の4日間のロンドン滞在を終え、今回一体何回目になるだろうか?、スーツケースへの荷物詰めを終わらせ、フラットの前からタクシーを拾い、セントパンクラス駅に向かう。
途中マダムタッソー近くの脇道で、大きなタンクローリーがタイヤを空回りさせて動けなくなり、渋滞してしまっている。
時間的には問題ないが、メーターだけは加算されあまり嬉しくないが、親切そうなドライバーのおじさんは何時の列車かと心配して聞いて来てくれる。
Uターンしようかどうか迷っているがそのまま様子を見て、5分ほどでギリギリのスペースをゆっくりと通り抜け、左折してあとはまっすぐ直進のみ。
13時34分発のユーロスターで早く着き過ぎて時間を弄ぶが、慌てるよりかはましでゆっくりとイスに腰掛け時間を待つ。
乗車したコーチは空いていてスタッフから席移動をしていいといわれ、テーブル付きの4シートを独り占めして、シャンパン&ワインと一緒にランチをいただき快適な列車の旅となる。
このロンドン・パリ間の行程も数知れず、大分飽きているのも事実だが、贅沢を言っちゃ怒られそうで、恵まれた環境に感謝。
パリ時間夕方の5時過ぎに到着後、急いでタクシー乗り場をめざすが、すでに長蛇の列でいかんともしがたいが、やむを得ず我慢あるのみ。
列に並んでいる途中、イギリス人おばさんふたりが、エクスキューズ ミーと話しかけて来る。
よりによって何で日本人の私なのとも思うが、彼女たちの説明はこれからガードリヨン駅に行って5時半の列車に乗らないといけないが時間がないので、前にいかせてくれないかとリクエストしてくる。
そんな時間予約するのもどうかと思うが、彼女たちが依頼した旅行会社が手配したのだと説明してくる。
並列して折り返している状態だから、自分の列と彼女たちの列の合計40人くらいをとばすこととなるが、それでもどんなに急いでもすでにタイムアウトなような気はする。
彼女たちの言っていることが本当かどうかは判らないが、表情は確かに焦っているようでもあり、おとなの対応で先に行かせてあげて、彼女たちは幾分ほっとはしているようだ。
良いように解釈すれば、ルックス的に言い易い雰囲気を感じさせているのか? それともこいつならだませそうだとカモにされているのか?
想像しても何も解決しないが、どちらもあり得る話で、長所的要素の親切な人柄の日本人と、反面、短所的要素の文句言わない国民性を、しっかりここパリで、もしかするとこの私が一番見本的な日本人だったりしているのかも知れない。
周りの後ろに並んでいた多くの外国人の人たちがどう思ったかは不明だが、せっかく好意で譲ったわけで、あのふたりのご婦人、無事に乗り継ぐ予定の列車に間に合ったと思いたい。
続けて現れたスーツを着た長身のおじさんは、列に並んでいる人たちに持っていた列車の乗車券をなくしてしまって電話をかけたいが、小銭がないので誰か恵んでくれとかなりシリアスな表情で訴えている。
15分ほどの間に、この空間はまるで映画のワンシーンでも観ているような光景で、色んな国籍が入り交った国民性が垣間みれた。
タクシーに乗車後、すでに陽はおちて暗くなった寒そうなパリの町の様子を窓から眺めながら、今回初めて泊まるシテ島のアパートに向かいます。
cheers