Tokyo Metropolitan Teien Art Museum | Ready Steady Go!

Ready Steady Go!

Season Concept
   ~ London Eye ~

11月最終の日曜日の午後、晩秋?初冬?の陽射しに誘われ、近所の白金台にある東京都庭園美術館まで散歩がてら久々に出かけてみることにした。

美術館では1930年代のアール・デコ展を展覧中だが、今日の気分ではないので200円で庭園のチケットだけを買って、芝生広場まで周りのモミジに見とれながらゆっくりと歩く。

広場は夏の碧碧とした芝生からすでに枯れた冬の芝生に変わっていたが、ひなたぼっこの定位置となる正面から眩しい陽射しを受ける場所に腰を下ろし、持参した本で2時間ほどを過ごす。

15時近くになると日も傾き始め、随分と風が冷たく感じられる。

そろそろ限界だと腰を上げて、日本庭園内の茶室/光華前のモミジの紅色に陽が射し込み、そのコントラストの美しさに頭の中を空っぽにして、しばし見とれる。

日頃の仕事づけの疲労蓄積からついつい億劫になり、簡単な散策すらここのところ忘れていた気がするが、日本ならではの四季の表情は気持ちをリフレッシュしてくれる。

せっかくの紅葉と高揚にこのまま家に直帰するのももったいなく感じて、なかなか帰省出来ずご無沙汰してしまっているご先祖様へのお墓参りの代役として、芝増上寺まで足を伸ばして神妙な気持ちでお参りを。

大殿ではアジア各国からの留学生への激励らしき行事が、隣接している安国殿ではHIVの感染予防と差別と偏見を解消する目的として12月1日を世界エイズデーとして様々な団体が活動しているらしいが、ゲスト出演していた和泉元彌の狂言を偶然、拝聴?

線香のニオイに誘われ、お寺に必ずある今月のことばを詠むと

『 修行 / 苦しみを乗りこえる心もて やがて幸せの日は必ず来る 』

『 新風 / 新しい風 爽やかな薫り 濁れるものを一掃してくれる 法の風 両手を合わせてその風を拝みたい 』

お陰で幾分心が軽くなり、またペダルを踏む気持ちがよみがえる。

決して良いことがないわけではないが、人に伝えるとどこかに飛んで行ってしまいそうな気がして、小さなラッキーはあくまでも自分の心の中に大事にしまっているのでした。

明日から駆け足でまた師走がやって来る。

合掌