あっという間の5日間の巴里滞在もほぼエンディングを迎え、ヨーロッパはまだ数日のスクールホリデーを残す為、家族旅行者も多く、満員の乗客を乗せたユーロスターは、定刻の19時19分に発車のベルでロンドンに向けて出発です。
列車はゆっくりとホームを離れ、ほっとしたつかの間の時間、車窓から眺める夕日は旅の疲れも手伝ってか独特の哀愁を運んできます。
でも、毎回のひとり旅の異国ならではの特異な時間と空間がとてつもなく好きで、結構、気にいっています。
今回の仕事を振り返ると久々に充実感を得た巴里滞在は、偶然出逢った3人のプリティーフレンチガールの気持ちの上での後押しもあり、 疲れも幾分癒されたかとも思います。
シートに座り、ぼんやりと列車の窓から景色を眺めていると、頭の中を色んなことが巡って来ます。
決してクリアではないがとぎれとぎれに記憶がよみがえり、感慨深く、まわりに日本人がいない事をこれ幸いにひとり旅人を演じて雰囲気を楽しむのです。
耳に聞こえて来る入り交じった言葉も、雰囲気を味あうには大事なソース。
その時その時の場面で自分の都合で変化を持たして、時には疲れから眠ってしまう事もあるけれど、記憶の引き出しにしまった好い思い出も数知れず。
おそらく偶然出会った人たちと、今後、二度と会う事はないだろうけれど、異国文化の知らないひとたちとのひと時のコミュニケーションは、決してお金では買えない後藤田にとって大切な宝物です。
海外ならではのフランクなこのコミュニケーションの必要性を教えてもらい、どれだけ旅を有意義にさせてくれたか分かりません。
列車はまもなくトンネルに入るとのアナウンス。
ここでフランスともフレンチキッスでお別れです。
次回、10月に又、逢いましょう。
トンネルを抜けるとイギリス。
いつも、この辺りから自国ではないけれど、肌に合うイギリスだからほっとする気分になります。
そうでした、巴里で予約していたミニキャブのエマニエルに念のために、ピックアップの確認の電話を入れると 彼の口からは、アイ アム ソーリー アイ アム アット ヒースロー?
過去、色んな経験をして来ている後藤田にとって、この言葉にそれほど驚きはしなかったが、さすがに7月、8月、そして今回と3ヶ月連続でヨーロッパに来ている為、精神的にも身体的にも疲労はピークをとっくに迎えていて、ロンドンウォータールー駅に20時54分着後、少しでも早くロンドンのフラットベッドにたどり着きたいのです。
翌日には、午前10時から3件のアポイント、翌々日の午後12時05分のフライトでスウェーデンまで行く事も考えるとこのグチもどうかお許しを。
知り合いのドライバーに連絡して寄越してくれるとエマニエルは言ってくるが、到着まで40分を切った今、過去同じ事で何回か1時間以上も待ったことがある経験から 知らないドライバーを待つ事はかなりリスキーと判断。
重い2個のラゲージを抱えている後藤田は走る事が出来ないから列の後方になる事は間違いないし、乗客の多さからブラックキャブも長蛇の列が予想されるが致し方ない。
選択したのは、ブラックキャブ。
後は、天にまかせてアーメン。
ほぼ定刻に到着した列車から多くの人が出て来る。
移動移動で出来れば誰かに荷物を運んでもらいたいけれど、ここはヨーロッパいつもセルフサービスが掟。
残念ながら、予想通りの行列に一段と疲れが襲って来るが、ここもひたすら忍で我慢するしかない。
40分後、やっとブラックキャブに乗れて、ウエストロンドンまで。
ウォータールーから、ウエストロンドンに行くときは、必ずテムズ川を渡り、横目にビッグベンを見ながらの道のり。
この瞬間もロンドンを感じる好きな雰囲気。
ハイドパーク横を通り、ポストコードW2からW10へ。
いい運転手さんで後藤田の知っている遠回りではないベストルートで22時20分、無事にベッドのある所まで到着。
そういえば、クリスくんは後藤田より1つ後の列車で巴里発20時43分でまだ車上の人のはず。
ひとの大変さを笑ってはいけませんが、ひと足お先にとこのままベッドに直行でグッドナイト。