第四回(「矢のゆくえ」)はいきなり山木攻めの謀議から始まる。時は治承四年(1180)八月。決行の日は十七日と決する。どこまでも楽観的な宗時片岡愛之助)と慎重な義時小栗旬)、ひたすら前向きな政子小池栄子)と現実的な実衣宮澤エマ)、兄弟姉妹の対比も楽しい。頼朝大泉洋)の泣き落とし外交は身近で頼朝を観察してきた義時の入れ知恵という設定は悪くないと思う。政子が山木兼高木原勝利)に嫁入りさせられるという話はどうやらカットされた模様。岡崎義実たかお鷹)や佐々木四兄弟も登場し、いよいよ源平絵巻らしくなってきた。ひそかに期待していた藤原邦通はさすがに出てこないよなあ。そして、討ち入り当日。時政坂東彌十郎)は「この日は祭礼のため、表通りは混みあっているから、裏道を行くべきか」というが、頼朝は「大事を始めるというのに、閑路を行くというのは採用しがたい。堂々と大通りを行くべし」と述べたから、まわりの士気も大いに高まる。月が真上にくる頃、佐々木経高江澤大樹)が放った一本の鏑矢により、四年に及ぶ源平の合戦がついに始まった。

 次回のタイトルは「兄との約束」になるらしい。いったい、誰と誰の約束だろう。頼朝と義経菅田将暉)だろうか、それとも戦死した宗時と義時だろうか。と思わせて、実衣の夫になる阿野全成新納慎也)と頼朝だったりして……。それはともかく、後白河法皇西田敏行)の夢枕はちょっとやりすぎか。当のお二人はノリノリに見えるけど。

 

 第五回(「兄との約束」)は石橋山の戦いが描かれる。劇中の「三郎、小四郎、平三」ってのは悪くないね。これが「宗時片岡愛之助)、義時小栗旬)、景時中村獅童)」じゃあ、締まらないし、ホームドラマみたいで、やっぱり気持ち悪いよね。タイトルの「兄との約束」は義時と宗時とのことだったようだ。どこまでも明るく、前向きな宗時の秘めた思い(坂東武士の国を創る)が兄(宗時)から弟(義時)へとバトンタッチされる回だった。これも、なかなか悪くない展開じゃなかろうか。それにしても、宗時が善児梶原善)に殺されるとはなあ。

 大庭景親國村隼)は貫禄たっぷりだし、梶原景時も準主役中ボス)らしく、少ない出番でしっかり存在感を示していて、いいんじゃないだろうか。北条時政坂東彌十郎)は勿論のこと、和田義盛横田栄司)も今回はしっかり自己アピールできてたし、いい感じだ。

 伊豆山権現に避難した政子小池栄子)一行。妹の実衣宮澤エマ)は相変わらず皮肉屋ぶりを発揮し、悪女で知られる牧の方りく宮沢りえ)は賢そうな女性に描かれていて少し意外。この辺りもよく練られている印象。悪くない。

 

 ナレーションの長澤まさみさん。別に文句はないのだけれど、源氏にせよ、平氏にせよ、誰かしらのキャラが割り当てられていれば、もう少し感情移入できるかもしれないと思うと、ちょっと残念。

 本編では出番のなかった佐奈田与一が紀行でしっかりフォローされていたのは悪くない。地元への気遣いだろうか。

 次回のタイトルは「悪い知らせ」。宗時の死が北条ファミリーに届くのか。そして、いよいよ上総介広常佐藤浩市)も登場し、鎌倉への進軍が始まる。大介義明の華々しい最期も見たいなあ。描かれていたら、いいなあ。畠山重忠中川大志)の葛藤も描かれていれば、

バッチリなんだけどなあ。

 

※()内はキャスト。敬称略

 こんな大河を見てみたい、という願望は大河ファンならば、一つや二つはあるだろう。

 私が長年見たいと願ってきた大河は六つある。

 特に熱望してきたのは三つ。中でももっとも見たかったのが、

 (1)1979大河『草燃える』のやり直し版

ということは以前の記事(四十年、待った大河がいよいよ始まる)にも書いたとおりだ。それがいま叶えられつつある。最終的な満足度がどれほどになるかは、まだ何ともいえないが、ずっと待ちつづけてきた大河がこれ(『鎌倉殿の13人』)だということだけは、現時点でもハッキリと言える。

 

 他の二つは

 (2)明智光秀を主役とする戦国大河

 (3)坂本龍馬を主役とする幕末大河

 うち、(1)と(2)は一昨年、今年と、わずか三年のうちに叶えられそうだし、(3)についても2010大河『龍馬伝』で叶えられている。福山雅治さんの龍馬は衝撃的で大いに満足した。(2)も2020大河『麒麟がくる』で叶えられたといっていいと思う。率直にいえば、少々物足りなかったというのが本音ではあるけれども、1973大河『国盗り物語』をじぶんの中で美化しすぎてしまっているから、どうしてもハードルが高くなってしまう。本当のことをいえば、じぶんでも『国盗り物語』をちゃんと見ているのかハッキリしない。当時はまだ幼く、定期的に大河を見る習慣もなかったから(習慣的に大河を見始めたのは1976大河『風と雲と虹と』からだ)、確かにテレビで見た記憶はあるものの、それが断片的なものでしかないのかハッキリしない。

 そもそも『国盗り物語』の主人公は明智光秀ではない。斎藤道三と織田信長が主人公だ。しかし、光秀が実質的な主人公の一人として描かれていたことはあきらかだ。という記憶も大河を見て感じたことなのか、原作を読んでの感想なのか、いまとなっては定かでない。

 

 ついで、残りの三つは、

(4)平家物語を主題とする源平大河

 こちらは同じ主題の大河に1972大河『新・平家物語』 があるが、残念ながら幼かった頃で見ていない。後に2012大河『平清盛』が制作される。世間一般の評価はあまり芳しくないようだが、個人的には高く評価している。十分に満足できる作品だった。

 

(5)太平記を主題とする南北朝大河

 こちらは1991大河『太平記』がある。個人的には歴代大河の中でも屈指の作品だったと確信している。

 

(6)古琉球の王朝興亡史を主題とする古琉球大河

 非常に面白い素材だとは思うのだけれど、文字史料が少なく、登場人物の名前が難しいことも、制作が敬遠される理由だろうか。せっかく首里グスクの復興が進められているのだから、それが成った暁にはぜひとも制作に挑んでほしい。

 

 21世紀になって、「見たい大河」リストの6つあるテーマのうち、5つが実現してしまった。そこで、(1)~(5)のテーマに該当する作品の満足度を書いておこう。

 

(1)

1979大河『草燃える』 70

2022大河『鎌倉殿の13人』 ??

 『草燃える』はじぶんではもっと低評価だったような気もするが、大人になったいま見ればそれなりに満足していたのかもしれない。『鎌倉殿の13人』にはもう期待しかない。

 

(2)

1973大河『国盗り物語』 ??

2020大河『麒麟がくる』 75

 『国盗り物語』は視聴の記憶が曖昧すぎて、評価不能。脳内再現満足度では100

 

(3)

1968大河『竜馬がゆく』 ??

2010大河『龍馬伝』 90

 『竜馬がゆく』も幼児の頃だから、見ていない。

 

(4)

1972大河『新・平家物語』 ??

2012大河『平清盛』 85

 『新・平家物語』も未見。残念。

 

(5)

1991大河『太平記』 95

 大河史上屈指の作品だったと思う。

 

(6)

 残念ながら、いまだ該当作品なし

 

 最後に「見たい大河」リストに2つを追加して更新。

(7)島津義弘ら島津四兄弟を主役とする戦国大河

 まずはかねてから大河ファンの間でも特に要望の強い戦国島津もの。天下国家をどうこうするものではないけれど、やっぱり戦国ファンなら、見てみたいよね。

 

(8)三好長慶を軸に松永弾正と篠原右京を描く戦国大河

 2020大河『麒麟がくる』にハマった人ならピンとくるかもしれないけど、戦国における中原の興亡を扱う、このテーマは絶対に面白くなると思う。(7)のような派手なシーンは多くないかもしれないが、今年の大河に通じる面白い群像劇にはなるはず。妄想炸裂だ!

 

 あらかじめ断っておくと、私はNHKのガイドブックを読んでいないし、持ってもいないから、ブログの予想と実際のストーリーとが大きくずれることもありうる。その点は悪しからず。

 

 2022年2月の日曜日は6、13、20、27の四日だ。1/23時点では、源頼政品川徹)に担がれた以仁王木村昴)が挙兵し、すでに鎮圧されてしまっている。次は頼朝大泉洋)自身が挙兵して、山木兼隆木原勝利)を血祭りに上げ、石橋山に軍を進めることになる。その前に、兼隆に嫁がされることになる花嫁=政子小池栄子)の逃亡劇が描かれるのかどうか。もし描かれるなら、三谷さんなりの味つけがどうなるかも見どころとなるだろう。

 

 山木攻めの後はいよいよ石橋山の合戦だ。本大河の主要人物の一人でもあり、頼朝の運命を決定づける梶原景時中村獅童)も登場する。三浦義明の華々しい最期も見てみたいところだが、現代の視聴者には知名度があるとはいいがたいだけに、描かれるかどうか…。孫の義村山本耕史)にとっても、大切な人物だとは思うが、どうだろう。

 その後は房総に渡った頼朝のもとに、千葉常胤岡本信人)が馳せ参じ、上総介広常佐藤浩市)が大軍で合流して、鎌倉への大行進が始まる。演劇的にも見どころは豊富だ。山内首藤経俊山口馬木也)がどう描かれ、その後、どんな役割を与えられるのかも興味深い点の一つだ。

 

 二月中に話はどこまで進むのだろう。

 鎌倉開府富士川の合戦黄瀬川の対面、、まさか清盛松平健)の死まではいかないだろうが、義経菅田将暉)の消息が気になるという人も多いんじゃないだろうか。

 

※()内は演者。敬称略

 

■ストーリー予想

【予習10】第一部 第一章 挙兵編 前編(鎌倉殿の13人:2022大河)

【予習11】第一部 第一章 挙兵編 後編(鎌倉殿の13人:2022大河)

 

 【配役(敬称略)】
  〇頼朝・政子夫妻と北条家の人々  主人公・義時との関係
   源頼朝(34):大泉洋  義兄
   北条政子(24):小池栄子  実姉
   北条義時(18):小栗旬 (本人)

   北条時政(43):坂東彌十郎  実父
   りく(-):宮沢りえ  継母(牧の方)
   北条宗時(-):六代目片岡愛之助  実兄
   実衣(-):宮澤エマ  実妹(阿波局)
   阿野全成(28):新納慎也  義兄
   牧宗親(-):山崎一

  〇頼朝の血縁者たち
   源範頼(-):迫田孝也
   源義経(22):菅田将暉
   源行家(-):杉本哲太

   木曽義仲(27):青木崇高
   巴御前(-):秋元才加
   木曽義高(8):市川染五郎
   武田信義(53):八嶋智人

  〇頼朝の支援者たち
   比企尼(-):草笛光子
   比企能員(-):佐藤二朗
   能員の妻・道(-):堀内敬子
   安達盛長(46):野添義弘
   河越重頼(-):●
   伊東祐清(-):竹財輝之助

   三善康信(41):小林隆

  〇三浦党の人々
   三浦義明(89):●
   三浦義澄(54):佐藤B作
   三浦義村(-):山本耕史
   和田義盛(34):横田栄司

  〇御家人たち
   梶原景時(-):二代目中村獅童
   畠山重忠(17):中川大志
   土肥実平(-):阿南健治
   中原光家(-);●
   千葉常胤(63):岡本信人
   上総広常(-);佐藤浩市
   足立遠元(-):●
   八田知家(-):●
   江戸重長(-):●
   工藤祐経(-):坪倉由幸(我が家)
   大庭景義(-):●
   工藤茂光(-):米本学仁

  〇平家方の人々
   平清盛(63):松平健
   平時子(55):●
   平頼盛(48):●
   平維盛(22):●
   平宗盛(34):小泉孝太郎
   平知盛(29):●
   平重衡(24):●

   伊東祐親(-):浅野和之
   大庭景親(-):國村隼
   山木兼隆(-):木原勝利
   善児(-):梶原善  ※祐親の家来
   江間次郎(-):芹澤興人  ※祐親の家来
   山内首藤経俊(44):山口馬木也

  ○その他の人びと
   後白河法皇(54);西田敏行
   丹後局(-):鈴木京香
   以仁王(30);木村昴
   源頼政(77);品川徹
   平知康(-):矢柴俊博
   八重(-):新垣結衣
   千鶴丸(-):太田恵晴  ※頼朝と八重の子
   文覚(42):市川猿之助
   亀前(-):江口のりこ  ※頼朝の愛妾
   弁慶(-):佳久創
   金売吉次(-):●
   河津祐泰(-):山口祥行

  ※()内は頼朝挙兵(治承四年)時の年齢
  ※●印はキャスト未定