NHKの公式ガイドブックをもっていないので、八九月のストーリー展開や進捗状況は知らないが、関東比企連合と伊豆北条組の抗争終了後、キーマンとなりそうな人物を見ておこう。
まずは北条時政(坂東彌十郎)とりく(宮沢りえ)の実子で「北条のプリンス」こと北条政範(●)だ。彼の儚い生涯が鎌倉の新たなる覇王「遠州」こと初代執権・時政の運命を変えるのだ。
この時の懊悩を宮沢りえさんがどう演じるのか。りくがどのように変貌していくのか。彼女にとって、1991大河『太平記』をも超える、記念碑的な作品になるかもしれず、その熱演に期待したい。
そして、同じく二人の実娘の婿となるのが「(源氏の)一門筆頭」といわれた平賀義信(●)の子・平賀朝雅(山中崇)だ。朝雅の母は比企尼(草笛光子)の三女でもあるから、北条と比企の架け橋になっていてもおかしくはない人物だ。数奇な運命に翻弄される朝雅は「源氏のプリンス」ともいえるような毛並みの良さがりくに気に入られるのだろう。
もう一人の(時政の)娘婿が坂東武者の「エースで四番」(じゃなくて「鑑」)といわれた畠山重忠(中川大志)だ。彼の命運を握るのが畠山ジュニアこと六郎重保(●)。彼らのキャスティングにも注目したい。
二人の娘婿をめぐる争いと、時政りく夫妻の権謀術数が鎌倉をさらなる血みどろの舞台へと変えていく。時政と政子・義時姉弟とのバトルと葛藤もあり、本大河中、もっとも熾烈で、劇的なストーリーが展開されそうなパートでもある。
正義と悪。理想と現実。それぞれの愛の形。
そんなベタなテーマがドラマティックに繰り広げられ、見どころ中の見どころとなるだろう。三谷脚本の真価が問われる。
現時点(8/8)では微妙だが、まずは畠山父子が八月一杯は争いに巻き込まれないことを信じよう。
※()内はキャスト。敬称略
※●印はキャスト未定(または不明)
■ストーリー予想
【予習17】第ニ部 第三章 執権・北条時政 前編(鎌倉殿の13人:2022大河)
【配役(敬称略)】
■「通称&年齢(数え)」つき配役表(敬称略)
〇義時をめぐる人びと
★江間「小四郎」義時(41):小栗旬
比奈(-):堀田真由 正妻(比企氏)
江間「太郎」泰時(21):坂口健太郎
初(-):福地桃子 ※泰時の妻
善児(-):梶原善 ※義時の家来
トウ(-):山本千尋
★北条「遠州」時政(66):坂東彌十郎
りく(-):宮沢りえ ※継母(牧の方)
北条政範(15):● ※異母弟(りくの実子)
平賀朝雅(-):山中崇 ※義弟(妹婿)
北条「五郎」時房(29):瀬戸康史 ※異母弟
実衣(-):宮澤エマ ※実妹(阿波局)
頼全(-):小林櫂人
ちえ(-):福田愛依 ※異母妹 ※畠山重忠の妻
畠山「次郎」重忠(40):中川大志 ※義弟(妹婿)
畠山「六郎」重保(-):●
○鎌倉殿をめぐる人びと
北条政子(47):小池栄子
千幡(12):嶺岸煌桜 ※後の源実朝
源頼家(22):金子大地
善哉(4):長尾翼
〇三浦党の人びと
三浦「平六」義村(-):山本耕史
「駿河次郎」泰村(-):● ※義村の次男
★和田「小太郎」義盛(54):横田栄司
〇御家人たち
仁田「四郎」忠常(37):高岸宏行(ティモンディ)
☆足立「右馬允」遠元(-):大野泰広
☆八田「四郎」知家(-):市原隼人
☆大江広元(56):栗原英雄 ※中原親能の弟か?
☆二階堂行政(-):野仲イサオ ※頼朝の從叔父
☆三善康信(64):小林隆 ※頼朝の乳母の甥
小笠原「弥太郎」長経(-)西村成忠
中野「五郎」能成(-):歩夢
○宮廷の人びと
★後鳥羽上皇(21):尾上松也
源仲章(-):生田斗真
藤原兼子(46):シルビア・グラブ ※後鳥羽天皇の乳母
○その他の人びと
鶴丸(-):きづき
陳和卿(-):テイ龍進
※()内は比企氏没落時(建仁三年)の年齢
※「」内は通称等。●印はキャスト未定(または不明)
※★は義時とそのライバル(後半各パートのラスボス)になると思われる人物
※☆は13人の宿老(義時とそのライバルをのぞく)
※登場し(てい)ない人物も含まれています(期待値込)