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「櫻井様。
本当は雅は、櫻井様と二人きりで、
年を越し、
新年を迎えたかったのでございます。
こんな年越はいやでございます。」
声も聞こえぬよう
翠屋の離れに移動し客間に櫻井を押し込めると、
すぐに雅は櫻井の厚い胸にしなだれかかる。
「雅。
俺も同じだ。
雅としっぽりと二人っきりで、
過ごしたかったのだぞ。
ほら。」
着物の裾を分けて、
足と足の間のものを雅に握らすと、
まぁ、それは雅の期待に寸分違わぬ大きなもの。
うっとりとそれを握り、
雅が翔の唇に己の唇を寄せる。
「少しでいいのでございます。
雅に情けをいただけませんか。
早くお着替えをしていただき、
戻らねば、
周りが怪しむことなど
百も承知。
それでも
櫻井様が先に雅のことを愛して頂かなければ
雅はもう干からびてしまいます。」
拗ねながらもいいよる雅に
櫻井も悪い気はしない。
「わがままなやつだ。
本当に少しだぞ。
あとでゆっくり
気持ちよくしてやる。
わかっているな。」
「わかっております。
だから、雅に少しだけお情けを。」
着物をまくり、
柱に両手を添えて、
翔の方にそこを見せるようにすれば、
何も履いていない雅のそこが露になる。
「ここは、
まだ硬い蕾であろうに。
優しくしてやりたいのに、
本当にわがままな愛いやつだ。」
指を舐め、
そこに突き立てるようにして
かき混ぜれば
すぐに待っていたかのようにくちゅくちゅと音が鳴る。
「では、ごめん。」
着物を着たまま、
お互いの熱い部分を重ねれば、
周りに聴こえるのではないか。
また、
周りを待たせていけないことをしているのではないかという
いつもとは違うことへの期待感で
お互いの体も燃え盛る。
自らの着物を口に咥え、
声を出せぬようにしながらも
「あ。うう。くううう。」
雅の断末魔を含んだ唾液は、
雅の着物の袖をびちゃびちゃに濡らした。
⭐︎つづく⭐︎