5月5日は、こどもの日だと思っていたけど、
暦の上では、
立夏。
夏が来た。
紫外線も含めて、
日差しはかなり強くなっている。
春の可憐な白がかった花びらはもう跡形もない。
周りの緑も濃くなり、
その緑に負けないような濃い色の花びらが、
そこにもここにも、
自らの美しさを誇るように咲き乱れる。
♫ほーほけきょけきょ♫
今までは、
息が持たず、
短くしか鳴くことのできなかった鶯が、
春を謳歌して、美しくあちらこちらで歌うように囀る。
全ての自然の恵みを受けて、
夏が来た。
「くふふ。
翔ちゃん。
柏餅。」
空高く舞い踊る鯉のぼりを、
縁側で見上げてると、
マサキがにっこりと、
柏餅に温かい緑茶を出してくる。
「ん!このお茶美味い。
なにこれ?」
マサキがにっこりと笑う。
「それは良かった。
初摘みの新茶もらったからね。
お出ししてみました。」
白い茶碗の中に、
綺麗な緑のお茶。
外の木々の綺麗な色と、
競い合うかのように美しい。
「マサキ。
こどもの日で、端午の節句なのに、
立夏って、なんか変な感じ。」
くふふ。
マサキが笑う。
「本当はね。
端午の節句は、6月14日だからね。
でも、
5月5日で決められてしまった端午の節句も、
立夏も、
運気が変わる日であり、
何かが始まる日。
こうやって、
よもぎや、菖蒲、新茶で厄を払って、
新しいものを呼び込むのはいい日なんだよ。」
嬉しそうなマサキな顔に、
俺もつられて嬉しくなる。
「かわずはじめてなく って言うんだってな。
七十二侯だと。」
「うん。」
マサキが、話を続ける。
「『お金が帰る(かえる)』『無事に帰る』って言うくらい、蛙も縁起のいい生き物だから。
今日は本当に開運日なんだよ。」
ぎゅ。
マサキが俺を抱き寄せる。
「翔ちゃん。
俺のとこに帰ってきてくれて、ありがとう。
そろそろ。
始まるよ。
変わってくるよ。
翔ちゃんのおかげで、
俺も変われた。
ありがとう。」
よく訳のわからないことを囁かれる。
「マサキ、どういうこ…」
聞こうとした瞬間に、
「くふふ。もう少しだよ?」
マサキがやっぱり訳のわからないことを言って、
俺の唇を自分の唇で口封じした。
⭐︎つづく⭐︎
本日。
始まりを意味する
端午の節句と、
立夏が重なる開運日。
まだまだ間に合いますよね♡
明日からの
みなさんとわたしが
いい日でありますように。
運が開けますように♡
心よりお祈りします!
今日より夏!
熱中症と紫外線に気をつけて、
過ごしましょ^_^