鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) 〜うちのごはん〜 | 嵐好き・まるの ブログ

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まるです。

Over50の葉担櫻葉erです。
徒然におはなしを書き、投げ込んであります。
基本は読み手。
色々なブログに顔を出しては、叫ばせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします^ ^


今日は土曜日。
おうちの日。

ステイホームは、
我が家の日常。


好きな本を読んで。
雑誌や新聞をチェックして。
ふたりでごろごろカウチソファで映画や録画したバラエティを楽しんで。



何もなく、
何も起こらず
1日が過ぎる。



「ああ。もう夕ご飯だぁ。」


洗濯物をとりこんで。

とおくオレンジに染まる夕日を見送れば、
もう夕方。


夜の帳が下りていく。


「くふふ。
今日は、

にわとりはじめてとやにつく。

大寒の末候。
七十二侯の1番最後。

次の第一候は立春。
東風解凍(はるかぜこおりをとく)だからね。
もうすぐ、
春が近いって、鶏が卵をだき始めるっていうことだよ。」


と、雅紀が出してきたのは、
茶色い卵。


「これって?」


「有精卵。
寒卵ってね。
鶏が丁寧に卵を抱くからものすごく栄養が詰まってて高いんだよね。」


他にテーブルに出てるのは、
きゅうりと、にんじんを細く千切りにして
鳥のささみを細くさいて
ごま油とポン酢で和えたサラダ。

レンチンで作った蒸し鶏。

ねぎと、豆腐を卵で閉じた中華風スープ。



ほんと、
鳥尽くしだし。



「えっと、これは、
どうやって食べる?

卵かけご飯?」


「くふふ。ただのTKGじゃないよ。
バラエティで覚えたことをちゃんと使わせてもらいます。」


卵白と卵黄を分けると、
卵白をしゃかしゃか泡立て始める。

卵黄は薄く醤油を垂らしておく。


「はい。」

ご飯の上に泡立てた卵白を乗せ、
卵黄を綺麗に乗せる。

「おおっ。
美味しそうっ。」


醤油を手に取って食べようとすると、

「待って。」

雅紀が俺の手を止める。


「選べる味付けにしてあります。

このゆかりをふりかけるもよし。
塩昆布と胡麻油のコンビネーションを楽しむもよし。
甘い刺身醤油をかけてもよし。
牡蠣醤油に、
たべるラー油、
普通の醤油もございます。

どうする?」



うぁぁぁ。悩むぅぅぅ。


頭を抱えて、
悩んでると、

雅紀が笑う。


「じゃ、少しずつ、小分けにして、
二人でたくさん食べよ?」


まるで、
徳川家光に春日局が用意した
七食飯だ。



「雅紀。
なんで、そんなにお前、
俺を甘やかしてくれるの?」


雅紀のほうを向くと、
雅紀が、


「くふふ。
それは、
この美味しい卵で翔ちゃんに精をつけて、
美味しくたべるためだよ。」


雅紀が、
飢えた狼のようににっこり笑った。



⭐︎おしまい⭐︎



いよいよ、
七十二侯も最後。

次の節句はもう立春です。


あなたにも、
みんなにも、
きっと素敵な春が来るはず。

本日は共通テスト第二日程。
受験生も、
受験生を持つ母も、
がんばれ^_^