ハッピーエンドは終わらない 7 | 嵐好き・まるの ブログ

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まるです。

Over50の葉担櫻葉erです。
徒然におはなしを書き、投げ込んであります。
基本は読み手。
色々なブログに顔を出しては、叫ばせていただいております。

どうぞよろしくお願いいたします^ ^


ニノとサトシ。
二匹のねずみに追い出されるように、

ふわぁぁ。

青いドレスを靡かせて、
宮殿の外に出る。  




ふわぁり。
ちょっと歩いただけで、
風をはらんでふわふわとバルーンのようになるドレスの裾は、
はっきり言って、




歩きづらいことこの上ない!




そして、
あの シンデレラがシンデレラである所以の、
ガラスの靴。

なにこれ?
ピンヒールじゃん。

そんなの履いて歩けるわけないし。
大体、そんなガラスなんて履いてて、
靴が割れちゃったら、
足が血だらけになるでしょ。


ガラスの靴はさっさと脱いで、 
手に持って、
綺麗な芝生を飛ぶように歩いてく。



わぁぁ。
気持ちいいっ。


嬉しそうに歩いていると、



「痛たたたっ。」
花壇の近くにしゃがみ込んでいる人がいる。



「どうかしましたか?」


ひとまず声をかけると、
その人が顔をこちらに向ける。


ひぃ。
ひぇ。


「ヨ、ヨーダっ!」


「なんだ。そのヨーダっては。
俺は、ここの庭師のコトゥーゲってもんだ。」


髪の毛のない
いくつかもわからない男が、
腰をかがめて俺の方を向く。


「あっ。ごめんなさい。
コトゥーゲさん。

お城の庭師さんなんだね。
どうしたの?

どっか痛いの?」



困ってそうなコトゥーゲさんに聞いてみる。
怖そうな顔だけど、
おじいちゃんみたいな人だけど、
困っている人には優しくしなくちゃ。

それは、
俺のおじいちゃんの教え。



「お姫様に話をしても仕方ないんだけどさ。
そこの木の上の林檎を取ろうとして、
梯子にのろうとしたら、
ぎっくり腰なのか腰痛めちまった。」



「それなら、
俺が,取ってやるよ。」


「へ?
お前、お姫様じゃないの?」


あ、やば。
王子様のお嫁さんのはずだ。
シンデレラの代わりだもの。


でも、ま、いいか。
このコトゥーゲさんも、
俺にタメ語で話してるもんな。


「ま、細かいことは気にしない。気にしない。

ほら、林檎を取ってあげるから、
その籠貸してっ。」



奪い取るように籠を取ると、
コトゥーゲさんの代わりに梯子を登り、
どんどん林檎を取ってあげた。



⭐︎つづく⭐︎