コロナ禍で新規の道の駅巡りが中断していますので、過去の旅で出会った美しい日本の風景を日本列島の北端から順番に紹介しています。
今回は福島県の2カ所目で
裏磐梯 の風景をご紹介します。
前回のこのシリーズで、磐梯山と猪苗代湖を紹介しました。
ここは “磐梯朝日国立公園” に属しますが、標高1816mの磐梯山を挟んで、その南側を “表磐梯” 北側を “裏磐梯” といいます。
磐梯山は南側から見ると “会津富士” とも呼ばれるように均整の取れた形をしていますが、北側の裏磐梯からは、明治21年の大噴火により荒々しい姿に変貌しています。
少し遠いので分かり難いかもしれませんが、これが北側からの磐梯山で、ごつごつした岩肌です。
1888年(明治21年)7月15日の大噴火で磐梯山北側が山体崩壊し、発生した爆風と岩屑なだれにより、5つの村の11集落が埋没、消滅し、多数の犠牲者がでました。
この時の岩屑なだれで川が堰き止められ、数百もの湖沼が形成されました。
その中の大きいのものは桧原湖、秋元湖、小野川湖になり、小さな数十の湖沼群はやがて五色沼と呼ばれるようになりました。
今回はこの中の “桧原湖” と “五色沼” を紹介します。
この写真は “桧原湖(ひばらこ)” です。
南北約18km、東西約1kmの細長い形をしていますが、裏磐梯で最大の湖です。
火山の噴火などで川が堰き止められてできた湖を “堰止湖” と言いますが、桧原湖は火山性の堰止湖として日本最大なのだそうです。
ご覧のように今では遊覧船が運行し、貸しボートがあり、付近にはホテルも立ち並び、アウトドアレジャーの基地となっています。
ですがここにはかつての桧原村が水没しており、現在でも水位が低下すると、集落にあった神社の鳥居や参道脇の並木の跡が現れることがあるそうです。
さて、次は “五色沼” です。
五色沼には “五色沼自然探勝路” と呼ばれるトレッキングコースがあります。
五色沼入口バス停付近に “裏磐梯ビジターセンター” があり、これが一方の入り口であり、もう一方は “裏磐梯高原駅口” で、その間は約4km、片道1時間10分から1時間半ほどかかります。
そのルート上に、毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼といった数多くの湖沼があり、それぞれが違う色彩であることから “五色沼” と呼ばれます。
流入してくる火山性の水質の影響や、植物、藻などによりエメラルドグリーン、コバルトブルー、ターコイズブルー、エメラルドブルー、パステルブルーといった多彩な色が出るのだそうです。
ビジターセンター側から入って、最初にある沼が “毘沙門沼” です。
ここは標高780mに位置し、周囲が4km、深さ13mの五色沼の中で最大の沼です。
ここには貸しボートがあり、鯉が泳いでいます。
磐梯山がきれいに見えることも特徴です。
起伏に富んだ山道を進みます。
沼の色彩は四季や天候、時間帯によっても少しずつ違ってくるのだそうです。
こんな注意書きもありますからご用心!
そして私が一番気に入ったのは、次の “みどろ沼” だと思います。
噴火による山体崩壊後のこの周辺は、大量の土砂や岩石で荒れ放題になっていました。
“遠藤現夢” という人物が私財を叩いて道を作り、植林を行って再生させたのが五色沼です。
遠藤現夢のまさに “夢” が叶って現在では福島県を代表する観光地に発展したわけですが、2016年には、ミシュラン・グリーンガイドの1つ星にも認定されたのだそうです。
■最寄りの道の駅
・道の駅裏磐梯