コロナ禍で新規の道の駅巡りが中断していますので、過去の旅で出会った美しい日本の風景を日本列島の北端から順番に紹介しています。
前回と同じく“湖”ですが、水深が日本で一番深い
田沢湖 を紹介します。
“田沢湖” には、この “たつこ像” にまつわる 「たつこ姫伝説」 があります。
むかし、安倍三之丞の娘でまれにみる美貌の 「辰子」 という娘がいました。
辰子はその美しさと若さを永遠に保ちたいと願い、大蔵観音に百日百夜の願をかけました。
満願の夜、「北に湧く泉の水を飲めば願いが叶う」 というお告げを受け、院内岳を越えて深い森を抜け、その泉を見つけます。
手に掬って飲むと何故かますます喉が渇き、泉の水が枯れるほど飲み続けました。
気がつくと辰子は大きな龍の体になっており、田沢湖の主となって湖底深く沈んでいったのです。
この伝説には続きがあります。
男鹿半島に八郎潟を作って主となった “八万太郎” と恋に落ち、やがて夫婦になって冬の間だけは田沢湖で一緒に過ごしました。
その為、冬の間主のいない八郎潟は凍りつき、二人の龍神が棲む田沢湖は冬場も凍らないと言い伝えられてきたのです。
たつこ像のすぐ横に、“浮木神社” があります。
この付近が田沢湖の中のビューポイントの一つであり、田沢湖遊覧船もここでしばらく停止します。
田沢湖は水深が423.4mもある、日本で最も深い湖であり、大きさは19番目です。
ですから、真冬でも湖面が凍り付くことはありません。
西側の “潟尻川” から流れ出ていますが、流れ込む川は無いので、湖底からの湧水が田沢湖の豊富な水量を支えていると言われています。
直径が約6km、周囲20kmほどなので、一周しても30分ほどしかかかりません。
この地図の左下付近に先ほどの “たつこ像” があります。
もう一カ所、地図の一番上 “御座石神社” にも立ち寄ってみました。
実はこの “御座石神社” にも “達子像” があります。
それがこちらです。
先程の湖の中に立っていた黄金のたつこ像とは随分とイメージが違います。
こちらのたつこ姫は、既に下半身が龍に変身していますね!
実はこの御座石神社の建つ場所に、辰子が龍になるきっかけとなった泉があったと伝わります。
ちなみにこの田沢湖の湖畔には、紹介した2体の他、湖の東岸にある「辰子観音」、北岸にある「姫観音像」と全部で4体のたつこ像があるのだそうです。
参道を通って湖まで下りられるのですが、驚いたのがこの付近の湖面の色です。
私が訪問したこの日が特別だったのかどうかわかりませんが、非常に印象に残りました。
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