コロナ禍で新規の道の駅巡りが中断していますので、過去の旅で出会った美しい日本の風景を日本列島の北端から順番に紹介しています。
知床半島と根室半島の中間あたりに
野付半島(のつけはんとう) という珍しい形をした半島があります。
地図でお分かりのように、この半島、珍しい形をしていて、全長は26kmあります。
この様な地形を、砂の嘴(くちばし)と書いて、“砂嘴(さし)” といいます。
沿岸流により運ばれた漂砂が堆積して形成されますが、この日本最大の砂嘴は3000年程前から堆積と浸食が繰り返されて大きくなったもので、今なお成長を続けているそうです。
半島の一番狭い箇所は幅が50mほどしかありませんので、走っている道路の左右とも海で、海中を走っているような不思議な感覚になります。
野付半島から海を隔ててわずか16km先にあるのが、北方領土の “国後島(くなしりとう)” です。
途中にネイチャーセンターの建物があり、その横に “津波の避難所兼国後島展望所” があります。
その展望所から見た国後島が次の写真です。
カメラのズームで岩肌までがはっきり見えるので、随分近いことがわかります。
さて、先ほどの “野付半島ネイチャーセンター” に車を停め、ここからその先にある “トドワラ原野” まで歩きます。
左右が海の、ススキに覆われた遊歩道を30分ほど歩くと、“トドワラ原野” に到着します。
この看板の先からは湿地帯になるので、木道を歩きます。
先端のトドワラ展望台まではここから約300mです。
この突き当りがT字型に三叉路になっていて、左は海の上を桟橋方面に向かいます。
桟橋からは対岸の尾岱沼港へ観光船が行き来しているようです。
海の上を渡る木道には、さすがに転落防止の手摺があります。
私は右側のトドワラ展望台の方角へ進みます。
今歩いてきた木道を振り返った写真です。
先客のお二人が立っている場所がトドワラ展望台です。
砂嘴の地形は堆積と浸食が繰り返されて形成されますが、浸食は主に内海側で起こります。
海水の浸食により、ご覧のようにトドマツが立ち枯れて独特の風景を作り出しています。
海の表情も独特のものがあります。
曇り空が多かったので、最後はぱっと明るい青空で締めくくります。
中央の小さな建物がネイチャーセンターで、その右手に国後島展望所が見えます。
■最寄りの道の駅
・道の駅おだいどう(約30分)