Metashapeの「写真-不変パラメータ」 | 山口大学 空中測量(UAV写真測量)研究室の技術ノート

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Metashapeになって設定可能になったものの、名前から意味がわかりにくいという評判の

「写真-不変パラメータ」について、

私は使っていない機能であることもあり、だいぶ遅いですが、簡単にメモします。

 

写真-不変パラメータ」の意味

 

Metashapeでは、「カメラキャリブレーション」ダイアログで、「写真-不変パラメータ」(”Photo-invariant parameters”)を設定できるようになっています。
 
 
これは、カメラグループ (camera group; calibration group)機能を拡張し、よりきめ細かな設定を可能にするものであると言えます。
 
従来は、同じカメラグループ内では全ての内部パラメータが共有されていた(同一であった)ところ、”写真-不変パラメータ”に指定した内部パラメータについては、同じカメラグループ内でも画像ごとに推定されるようになります。推定された値は、ダイアログ下部の表の右の方で確認できます。
 
PhotoScanやMetashapeのデフォルトでは、カメラグループは1つであり、チャンク (Chunk)内のすべての画像は1つのカメラグループに属しています。つまり、推定される内部パラメータは1組であり、全画像に共通です。
 
カメラグループを2組に分けると、カメラグループごとに1組の内部パラメータが推定されます。ここでもし、例えば1つのカメラグループで「写真-不変パラメータ」としてfをチェックすると、そのカメラグループでは、fのみは画像ごとに推定されることになります(少なくとも平行撮影の場合には非常に危険ですね)。
 

【ネーミング問題】

 
「写真-不変パラメータ」 (”Photo-invariant parameters”)という名前は、カメラグループ(camera group; calibration group)ごとに一定であることを意味する"block-invariant"の対義語とのことです。しかし、字義通り解釈すると「写真によって変わらないパラメータ」と読め、「固定パラメータ」(Fixed parameters)との差がわからなくなってしまいます。
 
Agisoft Forumでも改名の提案がありその結果、version 1.6.0 pre-releaseでは"image-variant"(意味:画像によって変わる)という名前になるとのことです(未確認)。