アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス書
/小尾芙佐 訳
Amazonのをスクショしたんですけど
書いてある通り、ベストセラーです。
※ネタバレを含みます!
2014年に著者が亡くなり新版が出たり、
ヨルシカさんの「アルジャーノン」という曲の
元ネタなのでは、と言った話があったりで
最近もまた読まれている作品ですよね。
初版が1959年…
本当に長く読まれている作品なんですね
現代でも全然刺さる作品でした。
表紙が花々とねずみで、ほのぼのとした作品なのかな?と思っていたのですが、
知的障碍や精神障碍を取り扱った
かなりデリケートな作品でした。
主人公のチャーリー・ゴードンは
32歳の知的障碍を持つ青年です。
特に母親から疎まれて親元を離れて
生活していますが
性格が穏やかでいつもニコニコしていて
ハンデがあっても楽しく生活していました。
そこへ、知能を高める手術や研究をする
大学の研究者から声がかかり、
手術を受けます。
そこからどんどん知能が高まっていくのですが
その様子をチャーリーの日記のような感じで
読み進めていく作品です。
最初の方は知能が低く、平仮名や書き間違い、
乱文でちょっと読みにくかったのですが
とてもリアルでした。
子供の作文を読んでいる気持ち。
中盤は難しい専門用語や考察が出てきて
私はそこも普通に読むのに苦労しました笑
チャーリーの知能が私の知能を大幅に超えてしまったんですね笑
そして、アルジャーノンというのは
実験でチャーリーよりも先に
知能を高めるテストを受けたマウスのことです
表紙の白いネズミはアルジャーノンですね、多分
とても可愛らしいのですが、
めちゃくちゃ賢いネズミです。
チャーリーの知能が高まるにつれ、
今までバイト先のパン屋での仲間の言動が
自分をバカにしていたのだと
どんどん分かっていくところや、
母や妹が、自分のことを疎ましく思っていたことに気づいて、腹が立ったり悲しんだりします。
その様子がとても痛々しかった…
知らなかった頃のチャーリーは、バカにしてくる人を友達・仲間だと思っていて
そうではなかったことに傷ついていました。
知らないほうが良かったことってあるんですね😢
研究発表会の日に、担当していた教授が
手術前の知能が低い自分のことを
まるで人間じゃないような言い方をしていたのに腹が立ち、アルジャーノンと共に逃亡します。
そこから1人と1匹の旅が始まるのですが
ワクワクの展開か!と思いきや、
アルジャーノンがどんどんおかしくなります。
その様子に最初は不信感を持っていましたが
ある日、チャーリーは
無理に高めた知能は、高める速度の倍の速度で退行していくことに気づきます。
そこからはさらに悲しい展開でした…
と、まあ、かなりあらすじを書いてしまいました
超ネタバレですね💦
知能が低い頃のチャーリーの方が
幸せだったのでしょうか…
でも、彼は手術をして良かったと言っていました
そうでなければ気づかないこともあった、と。
しかし、彼の思い人のアリスは
手術以前の彼の方が良かったと
言っていました。
知能を得たことによって
プライドや人を見下すことを覚えて
友達をどんどん失うんです。
果たして、知能を高める手術は
知的障碍の方々に必要なのでしょうか?
読み終わった後も、それが正解なのか
全く分かりませんでしたね。
バタフライエフェクトじゃないですけど
変えてしまうことで、とんでもない結末を迎えてしまいそうな気がしてしまって…
知能というものは、無理やり人が手を加えていい領域なのでしょうかね🤔
1959年から、そう言った手術は
今のところ編み出されていません。
ということは、やはり良くないことなのかもしれませんね。
倫理観や障碍に対する見方を
大きく揺さぶられる作品です。
お盆休みに読まれてみてはいかがでしょうか?
それでは。
熱中症にはくれぐれもお気をつけください💦