逃げなかったって証 -ジャニーズWESTライブツアー2022【Mixed Juice】 | live , lifework.

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音楽と言葉といきるひと。ライブの「きかくやさん」だったこともあったなあ。

念願叶って、ジャニーズWESTを生で見た。

音源と、わちゃわちゃする彼らに焦がれてから2年ほど。





ぴあアリーナ、スタンド4階、

ひたすらにすべてが見渡せる席で見た記憶、

こぼしたくなくて、会場を出てめちゃくちゃ早足で帰った。

ひとりだというのもあって、余韻を引きずるというよりかは

散らばったきらきらした場面をどうにか掻き集めておきたいという衝動にかられた。





《イイ予感しかない》という命題に込められたもの。



これはしがない、ライブというものがすきなわたしの、記憶の記録。

まさかジャニーズを追うなんて、ってよく言われるけど、

そういうのから《逃げなかったって証》の記録。



***



セットはジュース工場、アナウンスも"従業員""出荷"って言ってたりちゃんと作り込まれているコンセプトにうれしくなるなど。

セットと映像が絶えず動いていて、飲み物生産されとるつぶつぶと液体とあるみたいなところを見てるだけで開演を待てる。

大きい会場ってだいたい独特な音と空気があってザワザワしてるじゃないですか、静かにならない工場そのものだなって思っていた。

ちなみにいきなり最後の話をするけど、

アンコール待ちのときすでに生産ラインは止まっていたので、アンコールは営業時間外ってことなんだな〜〜と思ったりした。





真ん中上段にコップ状の階段的なものがあって(…って勝手に解釈したんだけどまったく伝わらず苦しむ、ていうかあれはジューサーらしい)、そこから本人たちが出てくることで始まる本編。


入れ物からわーーーって溢れ出してくるような、

彼らが「いる」と思った瞬間の、

ステージ上からも客席からも感情がぶわっと一気に湧き上がるような多幸感は、

Mixed Juice」のワクワク感で加速する。

重岡さんが叫ぶ『グイグイいこうぜ!』が見事なブレイクの役割を果たしていて、もう1段階感情が駆け上がる。

いやしかし、1曲目でシルエット見えた瞬間の高揚感はやっぱりアイドルに勝るものはないなあと思う。

【揃っている】という事実だけで鳥肌が立つ。ザッ、って音が聞こえる、ような。


ていうかはじめからフルバンドいる、

途中までやや隠れてるけど全然いるやんけ。

ああそういう、単なる【バンドコーナー】ではないんだな、という気概も、なんだかグッときてしまった。


We are WEST!!!!!!!」のサビで来たムビステが思いのほか速くてびっくりした。

迫ってくるスピード、彗星のような。おかげでずっと感情が落ち着かない。

「ええじゃないか」は圧倒的アンセム。もはや合言葉。

Anything goes」も結構いい音源だなあと思っていて、必要最低限の音色で個々が目立つところが、削ぎ落とされた今の彼らにぴったりだなあという印象。そして《Everytime Everywhere》の小瀧さんの煌めきがすごい。

Born to be Wild」はイントロを長くしてのダンスアレンジ。これがまたかっこよかった。

中間さんの歌い出しの無垢さから、徐々に加速してからの、ラスサビ前の桐山さんの《Baby》は、音源とは違う、倍増されたウタゴコロというか、

太めの音圧で突き抜いてくるさまが半端ないなーーーー!と。



ここまで。

曲調の変動はありつつも、【ずっとこの時間を楽しみにしていた】っていうそれを、

本人たちからも惜しみなく見せ続けられるような、

それに客席も合流していくような時間だなあと思った。

新旧織り混ぜた構成で、のっけからずっと満腹、いや満福になる時間。

だいたいバンドのライブならもうここらでMCしてるわよ




この調子で全曲いくと大変なので少しずつ割愛………するけどしたくないわねえ……





色褪せた映像からの、「セラヴィ」の艶っぽさ、気だるさは一気に空気を変える。

ライブを見て、この曲はわたしの中で圧倒的な藤井さん曲になった。

静岡で近くで見た(友達のおかげで2回もライブ見させてもろたけど静岡はほんとうに記憶喪失…………)ときの、最初の衝撃がすごすぎまして。

神山さんの振付がすてきだという相乗効果もありつつ、もはや背中もイケメンじゃん……と恐れおののきました。

この曲をいつかゴリゴリのバンドでやってほしいなと思ってる。

ぴあで上から見れた時に感じたこと。

曲終わりでセンターステージに来るのだけど、

そのときの照明がレーザーで、光の粒がとても印象的だった。「セラヴィ」の涙や雪の細やかさからくるんだろうなと思っていたけど、

続く「Big Shot!!」でもこんなに繊細な照明を使うのが意外だった。

"誰かへの応援歌"として格別な力を持ったこの曲が表すものがあるとしたら、きっとそれは「声援」で、

小さくても粒がたくさんあるとすごい力になるもんな、と腑に落ちた。カラフルじゃなくても【まとまり】を表すにはもってこいのセンターステージだったし、勝負を挑んだ次の曲が《今は勝って満たされたい》と勝ちにこだわってる曲なのもまたニクい。

「努力賞」はやはりハロプロ(違う)。意外とバンドでもいけるかもなあと思ったりした。

Plan B」は終盤の解放された瞬間のゾクッと感が良い演出。要所要所で抜かれる小瀧さん、彼で終わる曲は完全に仕留めにきている。

「情熱」のいいところは全員が溶けないところ。ぶつかりあってぶつかりあって成り立っている。拳と拳、じゃないけど、声と声のぶつかり合い。



「微笑み一つ〜」から「喜努愛楽」までのタイアップゾーンは

1曲1曲が強いのになんでこんなにも親しみが勝つんだろうと、ほうっと見ていた。

(お衣装が非常にかわいかったですね黄色黒チェック…)

タイアップに見合ったポップスの応酬と、その間のファンサと呼ばれるやりとりに

パフォーマンスでねじ伏せるだけでなく、ほわりと同じ温度にすることもできるんだなあと感心してしまった。

(なんならずっと感心してるけど、いやファンサもらった人はひと息なんてつけないんだろうなアイドルの情報処理力すごかったな……)

ちなみに「喜努愛楽」は必ず濵田さんがポジション邪魔されててすごくくすぐったいかわいさでした。

ドラムがとてもすきな曲なので、手拍子させてくれてうれしかったー!絶対やりたかったーー!キメの多い曲ー!ひゅー!


からの、センターステージで半円状に座って見せる半アコースティックの形態。

「涙腺」は近頃のラジオとかインタビューでも大切にしてる曲だっていうのがわかっていたけど、それが最も伝わる編成で。

入りはアコースティックから(重岡さんの鍵盤〜〜〜〜手元見せてくれてありがとうモニタ〜〜〜〜)、バンドinになってからの、雄大とも言える音の拡がりは

彼らをあまり知らないわたしにもわかるくらい、【これまでの色々】を背負ってくれるおおらかさがあって。

だからこそ、《大丈夫だよ 信じてゆけよ

かけがえのない旅になるから》で映像のテロップも虹色になるのは、とんでもなくズルい手なんだと思うよ。ずっりぃなって笑っちゃったもん。

続く「オレとオマエと時々チェイサー」は、始まる前から曲をつくった本人が嬉しそうで、それに引っ張られるように全員嬉しそうで、こっちまで嬉しくなっちゃったな〜〜〜。

あっけらかんとした音で《生きてくって大変だ》って笑顔で言われると、ああその感覚は知ってる、って急に気持ちが近くなる。笑いながら泣いたことがある、そのかんじ。

(静岡で見た「ブーケ」もいい響きだったなあ、ブルーグレーのような、くすんだ色の音だった◎)


このセンターステージの光景が似合うという点でもそうなんだけど、

わたしの中でこのグループは、【輪】だなあって思う瞬間がよくあって。

補い合う、もそうだけど、カチッとお互いを守るような。

ギザギザじゃないんだよなあ、顔を見合わせて、それが少し照れくさそうなのもいいんだよなあ。





演出の練り方に唸ったのは「ブルームーン」「真夜中のLION」「黎明」のくだり。

映像(めちゃ3Dに見える)で、月がライオンになるところを見ていた。

月明かりつながりだなあという前2曲、

太陽みたいなパブリックイメージとは違う顔を見せるしっとりとした場面。バンバン背中を押すんじゃなくて、やさしさを差し出してくる曲たち。

夜更けから真夜中を経て夜明け(っていう流れになってるねって友達に教えてもらってハッとした)、の希望の見せ方がシンプルで美しい。刻むリズムは難しいんだけど。

「真夜中のLION」は、象徴的な心音の映像表現にため息が出た。落ちサビの突き刺すような透明感の中で(ここの《撫でられることのない》ヲタクですわたしは)

白い鼓動が、熱を帯びたような赤に変わっていくさま、そしてラスサビでぶわっとライオンそのものの色になるところで、胸が詰まって仕方なかった。

本当の姿を取り戻したように色付く鮮やかな景色に、最後の虹の色はこのグループをどうしても重ねてしまう。

からの「黎明」、カラフルから一気にシンプルな白、徹底的に白、衣装も白、魔法みたいだ。

《君》と《僕》の構図が、隣に寄り添うとか包み込むとかじゃなくて、背中合わせにいてくれる。同じ方向を向かなくてもいいやさしさ。新しいかたち。




パリピゾーン(と個人的に呼んでいる)は圧倒的爆イケと盛り上げ上手さにまた感心していたんだけど、このある種の【わかりやすさ】も簡単に出来るもんじゃないなって思う。

しかもこんなにわちゃわちゃしているのに、このあとの展開を考えたら温存してるようにも見えてしまう不思議さ。(手を抜いてるとかでは決してない)

「ホメチギリスト」の最後、メインステージに戻ってからムビステを力ずくで抑える重岡さんがすごくイタズラ感あって可愛らしかったんだけど、

今思えばそれすらも、次からの流れの、ギアだったのかもしれない。

力を入れる、ヨッシャァ、の。




終盤だっていうのが手に取るようにわかる、堂々とバンドを背負うターン。

わかってはいたけど、重岡さんの水を得た魚感がすごかった。音楽の中で、うんと深呼吸ができてるなあこのひと!と思ったら胸がきゅっとなった。

音楽でしか言えないこと、表現できないこと、その中でわかること、わたしもたいせつだから、たいせつにされるとどうしてもグッときてしまう。


彼らに焦がれるきっかけの「証拠」はやっぱりトクベツで。上からのサス、虹色なのずるいなあ!歌い出しユニゾンで静寂をぶち壊しにきて、音も色も光も全部が飛び出してくるイントロに泣き笑いするしかない瞬間。ああ見たかった景色だ。

ちなみに「証拠」の2番がすきで、生で聴きたいなーってずっと思っているのだけど、単独であっても基本ショートバージョンになってるから、これは、生涯のたのしみが出来たな!って思っている。

トップスピードのまま突入する「僕らの理由」、この曲だったと思うけど、重岡さんがひとり花道まで出てきてこぶしで煽ってくれたの、

この身ひとつで呼応していいんだってめちゃくちゃうれしかったし、

(ペンライトもうちわもすてきな文化だとは思ってるよ!)

客席のみんなの熱気に、スポットライトを浴びながら満点の笑顔で拍手してくれたのが、この日のハイライト。

焼き付いて離れない、さすが歩く青春群像劇。

落ちサビで重岡さんがぽつりとこぼす

「きいて」

「なあ、そうだろう」、

いつも言ってるんだと思うけど、その一言にどれだけの熱量が込められてるか。

その後の「ムーンライト」もやっぱりつくった本人が背負ってる感覚はあったものの(さっきの月明かり曲とのギャップよ…)

我らがセンターのほとばしるそれに引っ張られるように、なんて思えないほど、全員のパワーと存在感が均等で驚いた。

一緒に背負っているんだなあという在り方。

フェスも見越してなのか(このとき裏でドームツアーも決まっていたし)、音楽というものへの盛り上げ方を掴んでいる、っていう確信めいたものが彼らを囲んでいるように見えたよ。



最後の曲までひと呼吸ある間。

ポジションについてからメンバーが全力で振る手に、気付いたら必死に手を振り返していた。

(その場所がわたしのいたスタンド4階と目線が同じように感じたのもあり)

そこまでの流れがブラボーすぎたせいだ、

すごいよーーーーって、届けーーーーーって本当に思ってしまった。


本編ラストの特大人生讃歌「サムシング・ニュー」。

《ベールをめくる》で締めくくるのがこの曲のすきなところなんだけど、

ベールをめくったその先は、ちゃんと歩いていけるようにしてくれるんだなあと思える、スッキリとした後味のラスト。







わたしが書くのはここまで。

アンコールがちゃんと"アンコール"であって、本編が本編で完結してるところがすごく素敵だなと思ったから。

いやアンコールもあってくれてよかったよ!!!センターステージにレーザーで書かれた【Mixed Juice】、最初に出さないところがニクかったなあ。





このツアー、このコンセプトで受け取ったもの。


このライブの最初と最後を飾った「Mixed Juice」の

《たぶん完成型 もう見えてるから》にあるように、

新旧もあらゆるテイストも置いていくことなく構成するライブを見て

これがひとつの、7人がつくる完成型たるもの、ということかなと思う。

しかも

With you, It's more GOOD

なんですよね。はーまいりました。


「誰も置いていかない」っていつも言ってる印象がある彼ら、

その中にわたしたちも、曲も、

きっとこれまでの彼ら、も入っているんだということ。

うれしいじゃないか。


***



見れてよかったな。素直に。

初めの方にも書いたけど、

ひとつの大きなものを見たというより

パッパッパって良い場面がそこら中に散らばっていて、

わたしが見逃している画もきっとたくさんあって、

それでも見たい部分を、すきなように見れるのがライブのいいとこなんだよな〜〜〜〜〜!!!!!!!







しっかし、

「またね」っていう3文字の強さ、

すごいなあ。

またね、って思っちゃうもん。