奈良にある東大寺行基堂です。
東大寺は金光明四天王護国之寺といい、華厳宗大本山。
行基堂は、中院と呼ばれる地区にあります。
江戸時代、東大寺を復興した公慶が、奈良時代に東大寺大仏造営に尽力した行基を祀って建てました。
江戸時代元禄年間の建造物。内部に、江戸時代元禄年間の行基菩薩坐像を祀ります。
行基(668~749)は、奈良時代の僧。道昭、義淵のもとで修業した後、全国を行脚して仏教を庶民に説き、庶民を動員して架橋や治水などの慈善事業を行います。当時、僧になるには朝廷の許可が必要であり、私僧である行基は僧尼令に反するとして、養老元年(717年)、朝廷から活動を禁じられます。天平3年(731年)、聖武天皇は行基の庶民を動員して社会事業を行わせる様子や高い土木技術を評価、行基の活動制限を緩め、天平4年、河内国狭山池の改修を行わせます。天平10年、朝廷は行基大徳の名を与えて正式な僧として認可。天平17年からは聖武天皇の願いにより大仏造立に協力、僧位としては最高の大僧正に日本で初めて任じられました。行基は大仏完成を見ることなく天平21年に82歳で入滅。朝廷から行基菩薩の号が贈られました。
東大寺;奈良市雑司町406-1