奈良にある不退寺です。


不退寺
 

金龍山不退転法輪寺という真言律宗の寺。

縁起によれば、大同4年(809年)、嵯峨天皇に譲位して平安京から南都へ居を移した平城太上天皇がこの地に住み、萱の御所と称したとします。この地は平城天皇第一皇子の阿保親王、その五男・在原業平へと伝領され、承和12年(845年)、在原業平が父阿保親王の菩提を弔って寺に改めたとし、業平寺の別名があります。

「日本三代実録」によれば貞観元年(860年)、真如親王(高岳親王/平城天皇第三皇子。嵯峨天皇の皇太子。薬子の変に連座して廃太子となり出家)が不退寺に施入したことが見え、ゆかりの寺院であったとされています。

大和北部八十八ヶ所霊場18番札所。


不退寺

 

本堂。

鎌倉時代の建造物で、重要文化財。

重要文化財の本尊・聖観音菩薩像(平安時代)を安置します。


不退寺

 

多宝塔。

鎌倉時代の建造物で、重要文化財。

もともとは二層でしたが明治初期に二層部分が撤去され、現在は一層になっています。


不退寺

 

石棺。

5世紀頃のもので、近くのウワナベ古墳群で発掘され、境内に置かれているとのこと。

 

 

 

不退寺;奈良市法蓮東垣内町517