施術後の足の攣りについて。(こむら返り) | 久留米市・トリフト整体院(全身調整):コンサルとシステム設計もしてる元理学療法士です

久留米市・トリフト整体院(全身調整):コンサルとシステム設計もしてる元理学療法士です

元理学療法士で2017年10月2日に福岡県久留米市に整体院を開業しました。ケアミックス病院の経営コンサルタントと、プロのSEと組んでシステムソフト設計もしてます。病院臨床は28年です。

たまにはアカデミックな話を書きます。

最近当院では、「指が届く範囲で剥がせる癒着を先に全部剥いで関節を調整する。」というやり方を始めました。指が届かない部分は、関節を使って剥いでいきます。

これは、再発が少なくなることと、いい姿勢が長持ちするという狙いです。

 

そうすると、施術後は、「体が軽くなった。」「ウエストが、足が細くなった。」というご感想は多くなりましたが、一方、「施術の日の夜に足が攣った。」というお問い合わせが増えてきました。

 

とりあえずその状態が長くは続かないのですが、なんでかなぁと考えてみました。

 

先ず、「足が攣る。」という現象って、何でしょう?

 

有痛性筋痙攣ともいわれる足の攣りは、そのまま筋肉が劇的に痙攣した状態を言います。

実は、「これだ!」という「筋肉が攣る現象」について正確に解明されているわけではありません。

 

一般的に筋肉の細胞はカルシウム、マグネシクム、ナトリウム、カリウム、水素の各イオンのバランスによって反応のしやすさが決まっています。このバランスが崩れると筋肉が収縮しやすくなり、小さい刺激でも筋肉が過収縮して「攣る」ことになります。

これは、透析の患者さんが透析中や透析後に足が攣ったり、足じゃない部分の筋肉が攣ったりすることが多いので、確かなことなのだろうと思われます。

透析では、血液中の老廃物を水分と一緒に膜を通してろ過して再度血液に返すのですが(腎臓の働きの代償)、その際に電解質もろ過されてしまいます。そのために電解質異常となり筋肉が攣りやすくなります。

熱中症の患者さんが痙攣をおこしますが、脱水もその電解質異常にかかわりますので、電解質異常と脱水状態(熱中症・運動後の多量発汗等)は「攣る原因」と考えられます。

 

また、過剰な神経反射によって筋肉と神経のバランスの異常が起こり、筋肉の収縮が連続することが原因という説もあります。これは筋疲労や中枢疲労(神経の疲労)が原因になります。

 

運動は筋肉が収縮することにより行われますが、筋肉と骨を接着しているのが腱になります。

難しい話になるのですが、この腱や筋肉が腱断裂・筋断裂しないように調整しているのが筋紡錘・腱紡錘と言われる器官です。

 

例えば筋肉が伸ばされると筋紡錘は「伸ばされた!」ことを認識します。さらに伸ばされると、筋肉が断裂しないように縮もうとします。

これと別に腱が持続的に延ばされると、腱紡錘は腱が切れないように筋肉が収縮するのを辞めさせようと脊髄に働きかけます。

 

ということは、「筋紡錘」が過剰反応を起こし、筋肉が収縮し続ける状態。もう一つ、「腱器官」の働きが弱くなり、腱が引っ張られたことを腱器官が感知できなくなり、筋肉の収縮を抑制しないままとなった状態。

この二つも「攣る」原因となることが考えられます。

 

筋紡錘の働きが過剰となる状態というのは、状態としては運動中となり、当院の施術とは関係なさそうです。マラソン選手なんかがレース中に足が攣るのがこれに当るでしょう。

腱器官の働きが弱くなるというのが睡眠中になるので、これは夜間の攣りには関係しそうです。

 

当院での施術で、循環が良くなり、おしっこが多量に出るということも感想ではお聞きします。癒着した筋膜を剥ぎまくりますので、筋肉は緩みやすくなります。結果腱も緩むので、攣る条件は施術前以上に高まります。

循環が良くなり、今までため込んでいた組織内の水分も多量に出ていくことになるので、脱水傾向にもなりやすくなります。

 

 したがって、当院での施術後は夜間に足が攣る可能性が高くなることが考えられます。

 

 ということで、施術後には十分な水分を摂取していただくことをお願いしないといけないなぁと、考える今日この頃です。