こんばんは、春希です。
早速、本題へ。
村上春樹さん原作の映画「ドライブ・マイ・カー」が
オスカー取りましたよね。外国の他の賞もノミネート
や受賞を沢山していたので本命と思っていましたが、
春樹さんのファンとしてはうれしいです。

原作は文藝春秋に2013年の12月に書き下ろされたもの
で、私もこの時に読みましたがなかなかよい話だなと思
いました。
今回、映画化なった時に「えーー、あれって短編じゃん、
映画にできるの」って思いましたがかなり脚色されてい
ましたね。
映画は映画、原作は原作で考えた方がよいかと。
ただ、濱口監督が話を広げつつ、村上テイストを壊さず
に作ってくださったので良かったです。

他の、文藝春秋に書き下ろした短編と一緒に
こちらの文庫に短編集として掲載されています。
こちらの文庫、ただいま爆売れで100万部増刷
するらしいです(*_*;
単行本になった時に、村上春樹のファンサイト
でどの話が好きかみたいなベストテンをやって
いたのですが、「ドライブ・マイ・カー」何故か人気
なくて下の方でした。私はこれに投票したんですが・・・。
映画と原作の相違点をあげますね。
主人公 家福について
原作では名前は「家福」しか出ていないが、映画ではフ
ルネームで「家福悠介」となっている。
年齢がたぶん原作では50歳過ぎぐらいになっているが
映画では歳は特定されていないが、ちょっと若そう。
原作では脇役が多い役者だけど、映画では演出家もして
いる。
専属ドライバーをつける理由は原作では事故をおこして
しまい、検査を受けた時に緑内障がわかったので事務所
からしばらく運転をひかえるように言われた事。
映画では演劇祭の間に事故防止のために主催者側から
運転をしないように言われた事。
車は原作では黄色のサーブ900コンバーテイブルだけと
映画では赤色だった。
妻との間に娘がいたが、原作では生後3日で亡くなり、
映画では遺影の写真がもっと大きな子供だった。
家福の妻
原作は名前は出てこないが映画では「音(おと)」になって
いた。
原作は女優だが、映画では女優をやめて脚本家の仕事を
している。
亡くなった原因は原作は末期癌になっているが、映画では
心不全か脳卒中で突然死。
車を運転したり、カセットテープの下りの話は原作にはない。
渡利みさき 家福のドライバー
北海道出身。
映画では母親に殴られながら、仕事の送り迎えの為に子供
の時から運転を教えられた。
母の死因も原作は飲酒運転になっているが映画では家が
土砂崩れになり、下敷きとなって母だけが死んだ事になって
いる。
原作ではもっとごつい感じで巨乳でぶすい。映画の三浦透子
さんは可愛らしいが雰囲気的な感じはよくでていたと思う。
高槻 妻の浮気相手の一人で映画ではフルネームの高槻
耕史になっている。
原作の方が45歳で妻子持ちになっていたので映画の岡田
将生さんで独身の役だったので年齢を下げたのかな。
酒癖が悪いっていう箇所は同じだけど、他の設定は映画だ
けの話。
原作はほぼこの4人しか出て、いないので広島での舞台の
話や、最後の二人で北海道までいく話などはすべて映画で
の脚色です。
映画と原作は切り離した方がよいです。
とは言え、映画はすごくよかったですよ。作中に舞台の
シーンがあるのですが変わった舞台演出しているのも
興味がわきました。これも外国の人の目をひいたのかも。
どちらかというと周りの景色以外は日本ならではみたい
な所があまり見られなかったので海外的に受け入れやす
かったのかも、村上春樹さんのネームバリューもあるの
でしょうが。
最後のシーンではとても救われた感じがしました。
村上春樹さんの作品によく出てくるテーマ「喪失と再生」
がうまく描かれているなと感じました。
人は大事な何かを無くしたときに、その傷を自分でちゃん
と見つめて埋めていかないとずっと喪失感に囚われて
生き続けるという辛い状態が続きます。無くしたものと同じ
物は決して戻ってこないので自分で折り合いをつけて生
きて行かなきゃいけないのだなという事を感じさせてくれ
た映画でした。

春樹さんの小説で一番好きなものです。
これも映画化されましたが視ていません。
予告編ちらりと見ましたが、主人公の松山ケンイチ
さんと重要な役の玉山鉄二はいいのですが、
ヒロインの二人がありえん・・・・。
中国人の監督さんでしたが、美の基準がちがうのかな。
好きな小説なんで思いれが深くて・・・・。
春希