「第19回 地域活性化フォーラム」開催レポートです | 東海愛知新聞『矢作に住んでみました』バックナンバーはコチラ

岡崎市内7大学による

岡崎大学懇話会主催

19 地域活性化フォーラム

開催レポート
 

2019年3月9日(土)

愛知学泉大学・短期大学岡崎キャンパスにて、岡崎市内の大学研究者5名による研究成果発表が行われました。その研究成果発表をレポートいたします。

 

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松本町松応寺界隈の防災まちづくり

愛知産業大学 造形学部建築学科 

宇野勇治 准教授
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徳川家康の父である、広忠公のご廟所が残る松應寺。

お寺界隈に見られる戦後に建築された過密な木造住宅は、防災の観点からも多くの課

題を内包しています。

また、崩壊が進むご廟所の土塀の復元につ

いても、検討が求められています。

 

主な問題定義と提案

・地震対策

・火災対策

・文化財保護

・避難対応
 

現在必要な優先順位を見直し、旧参道を含めた歴史的まちづくりを目指します。また、学生による版築土塀の再現など、子どもたちにも対応できる参加型のワークショップを企画しています。







「岡崎の文学」事始め 岡崎と『万葉集』それから
人間環境大学 人間環境学部環境科学科 

花井しおり教授

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岡崎市に残された「万葉三伝承」とは、以下の通りであると提案します。

 

1、旧額田町 額田王の祖先関係伝承

2、大友町 大友皇子終地伝承

3、奥山田町 持統天皇のお手植え桜伝承

 

長くこの地で伝えられてきた伝承は「岡崎市民の、岡崎市民による、岡崎市民のため

のもの」です。そこで伝えられてきた伝承を、その町に住まう岡崎市民が「語り」岡崎市民が「伝える」という営みについてご報告されました。
 

 

「大友皇子終焉地伝送」を今に伝える、岡崎市西大友町玉泉寺住職 神谷様のお話より

歴史はその時代における有権者の「改ざんの歴史」であるとも言えます。では、真実はどこに残されて

いるのでしょうか。それは利害関係のないもの、つまりは地域の伝承や発掘から見て取れるものがそうだと言えるのではないでしょうか。








岡崎市の農業被害低減を目指したニホンザルの生態学的基礎調査

人間環境大学 立脇隆文講師
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愛知県内における野生動物の農業被害は、以下のようになります

 

ニホンジカ 2,913

イノシシ      1,916

ニホンザル  1,453

カラス          468

 

また、愛知県において岡崎市はニホンザルの被害が最も高い市でもあります。

 

岡崎 1,453

豊根     383

東栄      317

豊川      215

(平成27年度)

 

しかし、ニホンザルは日本の固有種であるため、より良い関係での共存が望まれます。

そのため、岡崎市内のニホンザルの群や特徴を明らかにし、今後の対策を検討するこ

とが望まれます。以下のような対策を提案・実施致します。

 

1、個体群管理(群の管理)

2、被害防除管理(防護柵などの設置)

3、生息環境管理(生息地の保全)







額田木材の価値向上に向けた調査研究

岡崎女子短期大学 祝田学准教授
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額田地区における林業の停滞をもとに、木材利用の推進や木材産業の活性化、人の暮らしへの影響を提起します。
 

本研究では

・林業における現場のインタビュー

・学生へのアンケート調査

・他地域における林業活動状況を視察

 

それらをもとに、「ぬかた」ブランドのひとつとして木材利用を提案してまいります。

・差別化 特色ある企業活動を他企業と差別化する

・多角化 キャッシュインフローをつくり林業へ返還する

・職人の集積 職人の技による木材を使った商品作り








岡崎ブランド(おかざき三昧)の開発及び普及促進に向けたコンソーシアムの構築に関する共同研究

愛知学泉短期大学 根間健吉教授
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 地産地消及び第六次産業を促進し、地域の活性化に繋げます。

岡崎ブランド「おかざき三昧」の開発と普及を目標とし、創作料理50種類を開発しました。

 

 「おかざき三昧」とは

・八丁味噌

・法性寺ねぎ

・むらさき麦

 

市内の飲食店におけるメニュー化を図りながら、生産者に対して材料の安定供給を呼びかけてまいります。

 

これまでの主な活動内容

・プロジェクトチームの発足

・おかざき市役所記者会見場において目的と活動計画PR

・試食会、意見交換会の実施

・企業、各新聞社の協力

・道の駅藤川宿において「おかざき三昧フェア」開催

・「おかざき三昧」レシピ集の作成

 

参加者の皆様には「おかざき三昧」を使ったクッキーが配られました。また、フォーラム後の意見交流会においても、クッキーの試食が行われ大変好評でした。

 

 

 




 

 

地域活性化フォーラムの意義とは

岡崎市内の各大学の学問的特性を生かし、提案・研究することで地域と地域産業の活性化を推進することを目的としています。主催の「岡崎大学懇話会」とは、岡崎市内の大学で構成されています。

 

・愛知学泉大学・短期大学

・愛知産業大学・愛知産業大学短期大学

・人間環境大学

・岡崎女子大学・岡崎女子短期大学

 

 

「地域活性化フォーラム」とは学生だけにとどまらず、一般市民の皆様にも公開し参加していただくことで、より多くの皆様への提案と意見交換の場を設ける機会となっています。

 

今後も多くの市民の皆様のご参加を、お待ちしております。



主催:岡崎大学懇話会
後援:岡崎市、NPO法人21世紀を創る会・みかわ、岡崎商工会議所






ライター 三田村 ちはる