くろちゃんマン
コビィデビル
お姫様
ナレーション
くろちゃんマンやコビィデビルが生まれてからしばらくたちました。
コビィデビルは、ミノスケ大魔王に飼われてはいるものの、部屋がなく、くろちゃんマンの部屋に居候中。
コビィデビルとくろちゃんマンは敵同士なのに、2人とも仲良しで、歌を歌ったりギターを弾いたりして遊んでいました。
「桜の花びら散る度に~♪」
「ううう~♪」
今日もいつものように遊んでいると、部屋のドアをノックする音が聞こえました。
「誰やぁ?」
くろちゃんマンがドアを開けると、とても可愛い女の子が立っていました。
「可愛い…。」
「はじめまして、あの…大魔王に捕まってしまった隣の国の姫です。」
「まぁ、入りぃや♪」
「あ、いえ…挨拶に来ただけですので…。」
ふにゃっとした笑顔に、2人は一目惚れしました。
「歌とか好き?」
「あ、はい!!大好きです。」
「ほんなら、一緒に歌おうや♪」
コビィデビルがギターをポロンと鳴らしました。
「朝まで僕らと一緒に歌ってくれませんか?」
「言葉に羽が生えて飛んでいきます~♪」
合わせてくろちゃんマンが歌うと、お姫様は顔を輝かして、輪に入りました。
「あなたを誰にも渡さない♪」
「言葉にして今すぐに♪」
朝まで歌い、笑いました。
お姫様も、捕らわれている事をすっかり忘れて。
そこには、満面の笑みがありました。
「楽しいわぁ~。またやろうな♪」
「おん♪」
鶏が鳴き出す頃には、3人はすっかり仲良しになりました。
ミノスケ大魔王の城は、毎晩コンサート状態でした。 続く。