三浦おじさん
ミノスケ大魔王
コビィデビル
くろちゃんマン
ナレーション
ここは、ワーナータウン。
今日も、本業はパン屋の三浦おじさんが、客が来ないと愚痴りながら、パン生地で工作をしています。
「…あ♪なんか悪魔みたいな形やな。」
面白くなってきた三浦おじさんは、出来上がった生地に適当な呪文を唱えました。
「ラムジーラムジー、オーマイガッ!!」
すると、煙がもくもくとあがって、悪魔形の生地はしゃべり出しました。
「ヒヒヒ…俺は、コビィデビルや♪」
三浦おじさんは、コビィデビルと名乗る生地に冷ややかな目をしました。
「…へぇ。」
そして、コビィデビルを掴みました。
「え…?ちょ、三浦さん何掴んでんの?ポイッとか止めてや?さすがにポイッは人間としてアレやで?」
三浦おじさんは、無視してミノスケ大魔王の城へと行きました。
「社長ぉ~。社長います~?」
三浦おじさんが呼ぶと、ミノスケ大魔王は上下スウェットと、完全オフ時の格好で出てきました。
「三浦くん、どしたん?」
「なんか、こんなん出来ましたんですけど、社長いります?」
そう言って、三浦おじさんはポケットに突っ込んでたコビィデビルをミノスケ大魔王に見せました。
「ゲーッホゲホ!!ポケットとか酸欠になるからな!?」
「へー、コウモリか。」
「社長、ちっこいけどこれでも悪魔です…。」
「なんや、おもろいコウモリやな。気に入った、わしん所で飼うたろ。」
「ありがとうございますぅ。」
「あの…コウモリじゃなくて、悪魔なんですけど。」
交渉が成立したので、コビィデビルはミノスケ大魔王に飼われる事になりました。
「悪魔がおるんなら、ヒーローもいなアカンなぁ…。」
「国民的アニメの、アンパンとバイキンみたいにですか?」
という訳で、国民的アニメのアンパンみたいなヒーローを作成する事が決定しました。
「ちょっとシブく、グラサンなんてどうやろ?」
「背は高い方がカッコいいよなぁ…。」
パン職人と大魔王も、今は少年のように、目をキラキラさせています。
「よし、こんな感じでどうでしょ社長?」
「ええやん、めっちゃ完璧や三浦くん♪」
大きなパン生地で出来たヒーローは、2m近い背に、サングラスをかけてヒゲをちょっと生やしていました。
「じゃあ、いきます!!ラムジーラムジー、ウンジャラケー!!」
もくもくと煙があがり、とうとうヒーローが姿を現しました。
「正義の味方、くろちゃんマン!!」
こうして、くろちゃんマンが生まれたのです。 続く。