2024年3月10日に、原田ひ香さんの「3000円の使い道」を読みました。あとで調べたら、テレビの連続ドラマでやっていたようです。私はテレビは見ていません。たまたまブックオフで文庫本を見つけ、ページの中に、「73才のハローワーク」を見つけたので買ったのです。私も来年で古希です。

ごく普通の家庭での節約について、この本では、二人姉妹のうち、一方が結婚して子供がいる姉と独身でひとり住まいの妹のお金事情からスタートします。消防士と結婚したしっかり者の姉が元証券会社OLなので、なかなかの節約知恵者です。まあそれぞれの価値観がありますが、本人が見えていると思う現実は違うものです。姉のスマホ代は月2000円、妹は月1万円、このことひとつで生活感の違い、二人の見ている現実がわかります。まあこの本のテーマは、私見ですが、簡単にいうと、妹が月1万円から2000円になっていくプロセスのようなものでしょうか。

祖母が73才でハローワークで職を見つけたり、母親の友人が熟年離婚したりという事柄で、そのお金事情でうまく連鎖していくような形で話が続いていくので、面白いのです。節約術や家計の指南書として読むのは面白いと思います。

でも、私が違和感を持ったことがひとつありました。お金の話ではないのです。

それは、妹がつきあっていて、これから結婚もするかという彼氏の家に、彼氏の両親を尋ねた時の家族の対応です。

自分の息子が彼女を連れて家に来た時に、母がまあそれなりの挨拶があってまではいいのです。問題はリビングで、そこにいた父親が挨拶もなく、テレビをつけたままであるとか、同じようにそこにいた兄がゲームしているとかいう情景に違和感を抱いたのです。

こんなもんなのでしょうかね。この本の最後に解説を書いている垣谷美雨さんもお褒めの言葉を書いておられますが、上に書いたような情景は普通にあるのでしょうか。

どうも私の価値観、家族感は古いのでしょうかね。父親はそこにいて、じっくり息子の彼女と話をすべき義務があると思うのですが。

私の知人(私と同じ60才代後半)で同じように、息子さんが婚約する彼女を家族に合わせるというので、その息子さんにどうするのと聞いたら、息子さん曰く、「お母さんに会ってもらうので、お父さん(私の友人)は会わなくてもいい」と言われたとのことでした。もちろん怒っていましたが。そのことに対して、私の別の知人(女性)は、「それはおかしい。父親は当然会わないといけない。」と言いましたね。私もそう思います。でも、一瞬、こんなことも考えました。

それは、もし両親が、家庭内別居であったり、婚姻生活が破綻している状態なら、それもありかなあって思ったんです。この小説にあったような情景と少し似ています。

それ以上私の知人についての詮索はやめますが・・・・