藤駒
京都・花街の芸妓。初めて喜久雄と出会ったその日に自分の人生を賭ける覚悟を見せる。
自分の人生を賭ける覚悟というのが、喜久雄のお妾さん予約。
これも全く真意が理解できず、花街ジョークか何かと。
結局、その覚悟通りに喜久雄との間に娘を授かり、結婚せぬまま藤駒一人で育てる道を選びます。
喜久雄は藤駒宅に頻繁に通っている様子。娘とも仲睦まじく、藤駒が三味線の稽古をしている間、喜久雄が子守をしてるようなシーンもありました。
幸せを絵にかいたような穏やかな時間で、画面も柔らかな光で溢れていました。
喜久雄と娘がお参りした帰り、何を願ったのかと聞く娘に、喜久雄は悪魔に何も要らないから日本一の歌舞伎役者にして下さいとお願いしたと告げます。
顔がにこやかなままなので、これも子供相手の冗談なのかと。
時が流れ、人間国宝となった喜久雄の前に取材者として娘が現れます。
その娘のセリフから、子供の頃に会った切りでその後父娘は一度も会っていない、娘は父親を恨んでいる事が分かります。
「芸の為にどれだけの人間が犠牲になってきたか」
これもピンも来ませんでした。
喜久雄の妾になり、一人で娘を育てると決めたのは母親である藤駒ですから。春江の時と同様、例え喜久雄が求婚しても瞬時に断りそうな雰囲気すら醸し出していましたし。
娘のセリフから頻繁に歌舞伎鑑賞をしていた様子が伺われますから、経済的な困窮は無かった家庭のようです。
母親の藤駒が喜久雄を恨んで娘にあれこれ言ってたとは思えないんですよね。犠牲になったとは一体誰を指していたんだろう。
「どれだけ」と言ってるから大勢っぽいんですけど。
原作では子供の頃に会ったきりではなく、ずっと関わり続けていたようです。その間に色々あったのかなぁ?と想像するしか無い感じです。
この作品の女性キャストで一番好きなのが、藤駒です。
藤駒もまた、己の芸を突きつめ、芸に生きたい人だったのではないかと思うのです。

