オペラについて語る
リチャード・ギアのセリフです
『オペラ体験は最初が肝心だ。
好きか、嫌いかだ。
好きなら、 一生の友になる
嫌いなら君の魂にならない。 』
私は、初めてオペラをみた時
好き以上に
中毒になってしまいました(笑)
コロナから4年振りに開催された
世界遺産 法隆寺で公演された
さわかみオペラ芸術振興財団 主催
『Japan Opera Festival』
イル・トロヴァトーレ
昨年9月に公演発表されました。
もう知った時は嬉しかったです
4年前は、
名古屋城天守閣広場にて開催された
「蝶々夫人🦋」
もう感動と感激の公演でした
今回も特設ステージは
歴史的建造物で世界遺産の国宝
『法隆寺』西院伽藍の大講堂
公演されたオペラは
ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』
お友達と一緒に行って来ました
オープニングから美しいメロディが
洪水のようにあふれるオペラです
そのなかで
三角関係 呪い出生の秘密復讐
「変化に富んだ」要素が
大胆にからみ合いながら🌀
想像を超えた悲劇的な結末へと
突き進んで行くオペラ
兎にも角にも
美しいメロディでいっぱい
イタリアオペラ史上、
実力も人気のうえでも
最大級の作曲家である
ヴェルディの作品のなかで、
『イル・トロヴァトーレ』程
メロディが詰まった作品は、
見当たらないとか
歌手たちの声も、管弦楽も、
悲劇にふさわしい
少し翳りある色合いを帯びながら、
ひたすらメロディが流れます
ヴェルディは、
深掘りすることにとことん
こだわった作曲家だったので、
美しいメロディと、
それを輝かしく歌い上げる声によって、
どこまでドラマを
深く表現できるのかを
このオペラで
実験したのだそうです
結果はヴェルディの大勝利
1853年1月19日、
ローマのアポッロ劇場での
初演は熱狂的な喝采に
包まれたそうです
その後も今日まで絶えず上演され、
私みたいなオペラ中毒を(笑)
生みつづけてる作品です
そしてそしてこの
コロナから4年振りに開催された
『Japan Opera Festival』
イル・トロヴァトーレ
大講堂、金堂、五重塔に囲まれた
法隆寺 西院伽藍の中心部に
ステージと客席を設営。
全幅およそ36mもの広さ
演者は、飛鳥時代の建築に見られる
上部にかけて徐々に細くした
形状の柱様式である
エンタシス様式で名高い回廊から
ステージに登場するという
粋な趣のステージ
客席の後ろには金堂と五重塔
それらを回廊が取り囲むという
法隆寺の素晴らしい場所での
オペラ上演でした
拝観時間外に法隆寺に入れるという
貴重でまたとは
有り得ないオペラ上演
オープニングから
こんな2度とない様な凄い場所で
オペラを見れた喜びで一杯になり、
感涙してしまいました
夕闇がせまる18時30分
野外公演ならではの
ウグイスやカワラヒワなど野鳥の声
厳かな境内を吹き抜ける風音の中、
オーケストラの響きが鳴り渡りながら
始まりました
公演前に指ならし演奏されている
モデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニー楽団の方々
このさわかみオペラ公演の
大きな特徴のひとつなのですが、
演奏はマイクやスピーカーを使わず、
全て生声と生音で行われいるのです
より音楽が耳にストレートに
届くのはもちろんの事、
周囲の環境にも自然と溶け込み
音楽空間に身をおきながら
観劇できるから故の
理由からなのだそうです
またその上に、地面は砂利ですから、
音が出ない様に
カメラマンが立つ台の脚には、
スポンジが巻かれていました。
舞台設備も当然ながら、
杭などを打つことはできないので、
特殊な工法を取られたのだそうです。
舞台になる法隆寺の下見をされている吉田裕史(指揮/さわかみオペラ芸術振興財団芸術監督)とフランチェスコ・ベッロット(演出)
国宝や重要文化財に囲まれた法隆寺。
設営だけでなく搬入・搬出の際にも
相当な神経を使ったのだそうです。
左よりフランチェスコ・ベッロット(演出)、吉田裕史(指揮/さわかみオペラ芸術振興財団芸術監督)、ジャン・ポール・カッラドーリ(照明デザイン)
オープニングから間もなく、
日が落ちていきながら
周りを闇が包んで行きました。
暗さが増すにつれ講堂が
真紅に染まっていきます。
炎の復讐劇『トロヴァトーレ』らしく
炎、血の色、情念の色に
変容していきました
周囲を伽藍が取り巻いているからか
音量も十分にありながら
響きも感じられました
歌手もオーケストラも
響き渡る音量を出す為に
無理をしている様子は
全く感じられませんでした
今回演出を務めた
フランチェスコ・ベッロットと
照明デザインの
ジャン・ポール・カッラドーリは、
光と影というテーマで、
ステージに2つの対照的な空間を
意図した舞台設計をしました
現地視察の際に見た
大講堂前に立つ灯篭が、
光と影の世界を二分するシンボルだと
気付いたからなのだそうです
だから、
舞台上には歌手とは別に
白い天使、黒い天使を配置。
光と影の世界を二分する
シンボルの演出をされました
⤵︎ ︎黒い天使†_(・ω・*)β.。.:*・゚
ビジュアル的にも美しい物語の流れに
光と影を感じる
絶妙な美的コントラストを感じさせて、
大変分かりやすかったです
会場全体は、
その意図的に計られた
演出、サウンド、照明から、
物語の世界にどっぷりと変容
観客の方々は、グイグイと、
引き込まれていきました
エンディングは、
奏者全員が一体となり、
圧倒的なパフォーマンスで、
スタンディングオベーションに
カーテンコールに登場した出演者は、
観客より先にまず大講堂の
御本尊に深く頭を下げ、
そのあと、
客席に向かって来られました
法隆寺への畏敬の念は、
海外のアーティストにとって
私達と変わらないのだなと、
感じました
公演後にアップされたYouTubeです
ご存知でない方もお分かりになる様に
吟遊詩人『イル・トロヴァトーレ』
あらすじをご紹介しますね
ややこしい関係の相関図(笑)
舞台は15世紀スペインのアラゴン地方🇪🇸
ルーナ伯爵には幼い弟がいました。
弟が病弱なのは
ジプシー女の呪いのせいだと
その女は先代伯爵の命令で
火あぶりに処せられました。
処刑後に伯爵の弟も
いなくなっていました
成人したルーナ伯爵は
宮廷女官レオノーラに恋します。
彼女は吟遊詩人(トロヴァトーレ)の
マンリーコと相思相愛の仲
マンリーコの母親アズチェーナは
処刑されたジプシー女の娘です
アズチェーナは
母を殺したルーナ伯爵家を
恨むとともに、
母親が処刑されるとき、
ルーナ伯爵の弟を奪おうとして🌀
誤って自分の子供を
火に投げ入れてしまったという
忌まわしい記憶を抱えていました
アズチェーナが
弟の誘拐犯だと知った
ルーナ伯爵が彼女を捕えると、
マンリーコは母親の奪還を図ります
しかし、失敗して逆に捕えられ、
マンリーコは、
母親と一緒に処刑されることに
なってしまいました
それを知ったレオノーラは、
自分の身体を捧げるかわりに
マンリーコを助ける約束を
ルーナ伯爵から取りつけます
ルーナ伯爵から隠れて毒をあおります
レオノーラの絶命を知った
ルーナ伯爵は激怒して、
マンリーコを処刑します
そのときアズチェーナは
叫ぶのです。
「あれはおまえの弟だ。
母さん、仇を取ったよ」
悲しい結末に涙です
このオペラを主催された
さわかみオペラ芸術振興財団の
理事長でいらっしゃる
澤上篤人氏は、
このJapan Opera Festivalの
価値について話されました。
澤上篤人氏
長期投資家。1999年、日本初の独立系投資信託会社 さわかみ投信株式会社を設立。「さわかみファンド」1本のみの運用で、純資産は3,000億円、顧客数は12万人を超えています。
「公演が終わるとステージや客席は
跡形もなく消え去ってしまう。
まるで夢から覚めたように
でもそれがいいんです
その時、その時の
空間がなせる輝きがあります
だからこそ、
変えがたい価値があります」
同財団は
「日本にオペラ文化を広め、
多くの人に『感動』とともに
『心の贅沢』を
味わっていただきたい」
というモットーを掲げながら、
海外からの招聘に加え
日本人音楽家の育成まで
行なっている財団法人です
このお言葉から、
このJapan Opera Festivalの
プロジェクトに懸ける
澤上会長の意気込みが伝わって来ます
夢の世界にに浸れる
さわかみオペラ芸術振興財団の
『Japan Opera Festival』
次に、見られるのは来年
いつになるのしら
場所は、どこなのかしら
終わったあと、
直ぐに思ってしまいました
主催された澤上篤人氏と
アーティストの方々のスピーチと『オー・ソレ・ミォ 』
次回開催される日が、
今からすごく
心から待ち遠しいです
公演パンフレットとチケット
この公演チケットを予約してくださったお友達が
ブローチとスィーツを特別オーダーして
一緒に行ったお友達全員にプレゼントしてくれました
ラストにこのオペラ公演を
詳しくご紹介させて頂きますね
Japan Opera Festival 2023
法隆寺公演 野外オペラ
「トロヴァトーレ〈吟遊詩人〉」
~炎の復讐劇~
2023.5/18(木)〜21(日)
[全4日間公演] PM 18:30開演
出演歌手
ROSSO(赤❤️)と
BIANCO(白🤍)の
ダブルキャストでした
敵役 《ルーナ伯爵》
ミラノスカラ座や
ヴェローナ野外劇場等で
名唱を重ねる正統派バリトンの
アルベルト・ガザーレ(赤❤️)
イタリア中心に引っ張りだこの
マルチェッロ・ロジェッロ(白🤍)
《レオノーラ》
クロアチア出身 ラナ・コス(❤赤)。
イタリア出身 クラリッサ・コスタンツォ(白🤍)
吟遊詩人の母親親)《アズチェーナ》
(血はつながっていない母)
ロシア出身のマリア・エルモラエワ(赤❤️)
イスラエル出身のシェイ・ブロホ(白🤍)
吟遊詩人 《マンリーコ》
ドラマティック・テノールとして
国際舞台で活躍を広げる
イタリアのアンジェロ・ヴィッラーリ(赤❤️)
チリ出身のディエゴ・ゴドイ(白🤍)
《管弦楽》
モデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニー
《指揮》
モデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニー
音楽監督の吉田裕史
《合唱)
ヴェローナフィルハーモニー合唱団
さわかみオペラ選抜合唱団
※この公演のために総勢120人が
イタリアから来日🇮🇹
オーケストラは、演奏協力として
さわかみオペラオーケストラから
オーディションによって、
15人演奏されました。
《演出》
フランチェスコ・ベッロット
《照明デザイン》
ジャン・ポール・カッラドーリ
本当に素敵すぎるアーティストの方々
その感性に脱帽です