ちょと前になるのですが
お友達と一緒に
京都 美濃吉本店「竹茂楼🌿」
行ってきました
江戸時代の吉宗将軍の時代に、
岐阜県から京都に移ってきたのが、
お店の始まりの
300年に近い歴史があるお店
江戸時代の美濃吉
三条大橋のたもと(現在の縄手通り)の一角に
腰掛茶屋を開いたのが「美濃吉」の始まりと
いわれています。
三条大橋 縄手通りの美濃吉
明治時代には鴨川の川べりに大きな店舗を構え、
鴨川を泳ぐ川魚を調理して出すのが売りの
縄手通り 美濃吉の鴨川床
夏は鴨川に三層の川床を出していたそうです。
昭和天皇が即位される折には、
店舗を料亭形式に大改装され、
宮家や名士と言われる方々が通われるような
高級料亭となりました
美濃吉の鴨川床
戦局の悪化に伴い店舗を一時閉店
その後昭和25年に
在原業平の別邸があったといわれる
南禅寺畔粟田口(現在の本店所在地)にて
料理屋として再開されたのだそうです👇🏻
民芸館正面(粟田口、美濃吉)
お店の場所が現在の場所に移った今でも
美濃吉らしさを残すために
メニューの中に
必ず川魚を入れているのだそうです
初めて訪れた美濃吉 本店「竹茂楼🌿」は、
蹴上のウェスティン都ホテルのすぐ近くの
大変閑静な場所にあり
しっとりとした空気に包まれていました
壁は漆喰で、
聚楽色で統一されていました
※聚楽色
土塗壁を代表する京壁の中でも最高級の左官材料。
京都市内で産出される、褐色で渋みのある色土の事。
古くなると独特の味わいのさびが出てきます。
女将さんが仰るには、
「色合いを非常に大切にしています。
壁の色をベースに、
様々なしつらいを考えています
女将が、「襲の色目」を参考にしながら、
お客様の趣味・嗜好を検討して
アレンジを加えています。」との事
「襲の色目」とは
女房装束の袿の重ねに用いられた襲色目の一覧。
当時の絹は非常に薄く裏地の色が
表によく透けるため、
独特の美しい色調が現れます。
襲ね色目には3種類あります。
1.表裏のかさね色目(合わせ色目)(重色目)
2.重ね着のかさね色目(襲色目)
3.織物のかさね色目(織り色目)
経糸緯糸に違う色を使うことで
複雑な色合いを作り出します。
竹茂楼は、洗練された数寄屋ゾーンと、
釘ひとつ使っていない合掌造りの2つから
成っていました。
数寄屋ゾーンは2階建て
4畳半の小間から54畳の大広間まで、
13室があるそうです
それぞれの部屋には
「松重」「梅重」「面柳」等々
季節の木や花由来の部屋名が
つけられています
座布団の色は、
その花の色に合わせてあるそうで
各部屋には必ず床の間があって、
意匠がそれぞれ違うそうです
部屋によって変わらない点は、
床框とテーブルと入口の襖の縁の色が
統一されている事だそうです
また「竹茂楼🌿」の名の通り、
すべての部屋から
竹の庭が見渡せる事が出来ます
数寄屋の洗練とは対照的に、
合掌館は合掌造りの建物のもつ
重厚感に溢れていました
合掌館・炉端席(粟田口、美濃吉)
合掌館(2階/多目的ホール)
太い梁が縦にがっしりと横たわり
梁と柱を縄で締められており、
河合寛次郎、バーナード・リーチ、ピカソ等の
コレクションが展示されていました
ピカソのお皿
☝️
1階の囲炉裏のある「花」の間は、
江戸千家が京都で初釜を開く
場所になった事があるそうです。
幾重もの時を重ねた重厚感ある
風格、風貌がありました
囲炉裏が、お茶の炉の様に小さくなく、
大変大きいのです
4月になっていましたが、
大正時代の寝殿造りの
美しいお雛様🎎が飾られていました
代々女将が大切に大切に
受け継がれてきたそうです
お供えのお膳が、
本物のお料理なのには
さすが料亭だと思いました
5月になりましたら、
皐月人形が飾られるそうですよ🎏
9代目のご当主は、大学をご卒業後、
官僚として東京で勤務された後に京都に戻られ、
百貨店勤めの傍らに、
美濃吉を継がれたのだそうです。
昭和33年高度成長期に差し掛かった頃、
当時できたばかりの阪神百貨店の
「お好み食堂」に出店され人気を博し、
それを皮切りに京都や
東京の百貨店に京都風の和食店を展開し、
現在の多店舗化の礎を築かれました
民芸館正面(粟田口、美濃吉)
昭和42年~44年には本店を大改築
高級料理を提供する部屋は大幅に減らし、
富山から合掌造りの民家を移築され、
一般のお客様が気軽に京料理を楽しめる
お店と変更されました
その当時のお写真👇🏻
平成4年に本店を、数寄屋造りの本館と、
9代目が昭和45年に富山から移築されたという
合掌造りの別館からなり、
現在に至ります
別館に掛かっていた
「う まる どぜう」の看板。
うは、うなぎ。
まるはすっぽん。
どぜうは、どじょうの事。
これが、
川魚料理の美濃吉の原点であり
これだけは絶対に守り抜く。
という意味が込められ、
飾られているのだそうですよ
頂いたお食事をご紹介します
卯月 翠 御献立
食前酒
先付 花見串し
車海老 玉子 胡瓜
若鮎山椒煮
一寸豆
フォアグラゼリー
花弁百合根
ホタルイカ
うるい
酢味噌
添え 筍木の芽和え
蓬豆腐
筍
花人参
辛子
向 焼霜鰆
かつを いか
あしらい
塩 土佐醤油
焼物 田楽三種
豆腐 サーモン 桜葉麩
九条葱
木の芽
黒七味
強肴 花菜 揚麩
赤コン スナップエンドウ
辛子胡麻和え
御飯 釜炊き
筍ごはん
赤出し
香物 煮鰻 大根 しば漬
水物 苺 キウイ オレンジ
わらびもち
きな粉アイス
ぜんざい お抹茶
お食事の後
蹴上インクライン辺りに咲く
桜を見に行きましたが
残念ながら桜は葉桜でした
美濃吉 本店 竹茂楼の
歴史感じる老舗の風格と風貌
その佇まいに加えて、
きめ細かいおもてなしのお気遣いを
感じました
丁寧に御説明くださり、
心温まる接客に、
また訪れたいと思いました
京都観光の際には、
良かったらぜひ訪れてみてください