「フェラーリと鉄瓶」
 
私が感銘を受けたこの本本
イタリアの高級車フェラーリの中で
創業55周年の大切な節目となる
記念モデル 
「Enzo Ferrari」
を設計した工業デザイナーの
奥山清行氏の初めてのエッセイです本
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奥山氏はキラキラ
武蔵野美大を卒業後
アメリカに渡りGMで、
ドイツはポルシェで、
カーデザイナーの腕を磨き、
フェラーリ等のデザインを請け負う
イタリアのカロッツェリア
”ピニンファリーナ”の要職を経て
2006年に独立しました

 

 

 

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 自分自身が
「信じるもの」
「追い求めたいもの」
に従って仕事をしている人が、
イタリアと日本の仕事のしかたの違い
日本の物作りの
これからあるべき姿等について
綴っているのですが、
随所随所に、感銘をすごく受けました

 

 

アメリカ式(大量生産)ではなく

 

 

イタリア式ものづくり
(手づくりの少量生産)の
典型をフェラーリを題材に、
そこに日本の伝統文化との 
共通性を綴っています

 

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奥山氏は、こう仰っていますキラキラ

 

 
 『イタリア人は、
大量生産が苦手で
少量生産が得意です。
 
昔から、職人が細部に至るまで
神経を行き届かせながら、
丁寧な物作りをする伝統があり、
だからその姿勢が、
沢山の高級ブランドを生みました。
 
そんな高級ブランドのフェラーリには
需要よりも1台少なく生産するという
創業者の哲学があり
私がデザインを担当した
「エンツォ・フェラーリ」
記念モデルの場合は、
生産予定台数の10倍の
予約申し込みがありました。
 
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フェラーリは、
予約してくれたお客さんの中から、
過去に2台以上
買ってくれた実績があるか、
地元の名士であるかなどを考慮して、
ブランドにふさわしい人に
販売を決定するのです。
 
購入できた人は、
「自分は選ばれた人間だ」
という満足感を手にし、
購入できなかった人は、 
記念モデルではない通常モデル
(それでも、とんでもなく高額の高級車)で我慢し、次のチャンスを待ちます。
 
こうして
”お金を出しても買えないものを売る”
ということが
イタリアのブランドとして
着していきました。
 
そして、
大量生産はそれが得意な 
アメリカにやらせておけばいい。
 イタリアは、心の底で、
大量生産の文化を軽便しているのだと感じます 』
と。
 

 

 

 

大量生産化の原点とか、

 

 

モデルともいえるような自動車産業は

今、
燃料電池化の時代を迎えています。
基盤となる部品を
燃料電池のトップメーカーに
押えられてしまったら、
どの自動車メーカーも必然的に、
似たり寄ったりの車しか 
出せなくなります

 

 

 

十数年もしないうちに、

 

 

 

自動車メーカーが、 
家電メーカーや
パソコンメーカーのような姿に
なるかもしれないと言われています

 

 

 

 

そうならないためにも、 

 

 

 

 

日本の物作りの将来のために、
職人文化を伝承しなければならない。
そのためにははてなマークと、
奥山さんの提言が続いています
 

 

『決して、

 

目の前の利益を追及しないこと。 
 
伝統職人気質からくるような、
長い目で見つめた
クオリティーの高いモノづくりや
サービスによる利益の出し方を
追及すべきでははてなマークと。

 

 

 

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日本人でありながら、
イタリアの”ピニンファリーナ”という
世界的に著名なデザイン工房で
フェラーリをデザインした
奥山清行氏

 

 

 

その中で述べられた著者からの言葉で

 

 

 

私も奥山氏同様に
感銘を受けた次の言葉をご紹介します。  
 
 
奥山氏が、当時の会長である
セルジオ・ピニンファリーナ会長
にお聞きしました。
 
美しいものをどうして追求するのかはてなマーク 
なぜ美しいデザインが必要なのかはてなマーク
と。
 
セルジオ・ピニンファリーナ会長は
次のように仰いました。
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「一つめは、
「美しいものは売れる」ということ。
同じ価格、
性能で美しいものと
醜いものがあった場合、
よほどのへそ曲がりでなければ、
美しいものの方を買うでしょう。
 
競争相手が
みんなそれに気付いているなら、
商売で勝ち残るためには、
より美しいものを作らなければならない。
 
だから
美しいデザインが必要なのだということ。
 
 
二つめの理由は、
「人間は本来美しいものが好きである」
ということ。 
 
 
美しいインテリアや
美しい絵に囲まれて暮らしたい
と思うのは人間の本能です。
 
 
だから美しいものを作り出す行為は、
人間の本能に沿った
極めて自然なことになります。
 
 
したがって、
美しいデザインが必要なわけです。」
 
 
「美しいものは正しい。
俺たちは正しいことをしているんだ」
と、仰ったのです

 

 

 

世の中には確かに性能や機能は良い、

 

 

というのはいくらでもあります。
 
ですが、
その中で自分自身が満足して
”本物を手にした”
と感じるようなものは
少ないのではないのでしょうか。
 
性能や機能がいくら良くても、
このデザインでは
ちょっと満足度が低いなあと
感じてしまう製品や商品が、
世の中には以外と多い様に思います。

 

一体なぜなのでしょうかはてなマークはてなマーク

 

 

それは、

 

本当に真に
“美しく丁寧に”
デザインされていない事が
多いからなのだと思います。

 

 

 

美しく丁寧に

 

 

 

“デザインをする”
という手を抜いたところから、
何かが足りないなあ、
何かが多いなあと感じてしまう
製品や商品になってしまう。
 
そうして、
デザインをちゃんと検証しないまま、
世に出してしまうから
ではないでしょうか?

 

 

デザインすると

 

 

余分なお金がかかるから、
というような理由以外にも、
もともとこの商品に
デザインなんか必要ない、
機能や性能さえ良ければ
商品は売れるんだ、
と言う考え方があったのだと思います。

 

 

 

確かに戦後の経済成長時代や

 

 

 

バブル期にモノは作れば売れました。
 
 
バブル期はともかく、
戦後はモノがなかったため
早く作る必要がありました。

 


今はものがあふれています。

 

 

 

 

 

 

今の時代こそ、
モノは、デザイン
 
その機能にあった、
求められる美しさのデザインが
施されているべきだと思います
 
 
 
そんな
奥山氏のこのエッセイに綴られている
その考え方。
そのポリシー。
 
 
 
そんな
商品に対する丁寧な姿勢
拘りを感じるモノづくり
 
 
デザインがされていないものは、
同じ物でも、
デザインされているものと、
 されていないものとでは、
はっきりと価格差が生まれます
 
価格の安いものの方がいい
という消費者を相手にするのなら、
それはそれでニーズに
あっていていいとは思うのです。
 
でも、
それだと大量に作らなければ
なかなか利益がでません。
大企業にしかなかなか
利益は生み出せません。
 
 
それは細かいニーズや需要に
対応しやすいモノづくりに携わる
中小企業が、 
あまりすべきことではありません。
利益も生み出しにくいです。
 
 
モノづくりに真摯に丁寧に
対応できる中小企業こそ、 
今、
拘りの美しくデザインされた商品、
魂を込めるものを作らなければ、
長くは続いていかないのでははてなマーク
と感じます
 
 
これはモノづくりに携わる
企業に関わらず、
全てのビジネスや、
サービス、
人間関係にも通じるのでは?とも
感じます
 
 
日本人ならではの
”器用さ星
”きめ細かいおもてなし星
”気がつく所星
 
 
そんな心にぐっとくる『美しさ
心が凛とする『丁寧さ』 
 
 
そんなことを大切にする事が
これからの時代を生き抜く虹
大切なキーワードではないかと
思うのです