やや暗めの照明の中、

後ろの息がウナジをくすぐる程、人いきれが充満してる。

やや暗い照明のなか、ついでに灯されたディスコランプが、

あっちの顔、こっちの顔を赤く、或いは緑色に染めては立ち去っていく。

やや不機嫌な顔をした、クラブのオーナーが、

当てつけがましく、グラスを磨く姿がある。


場所は聖山ビル4階、クラブ・モンテサクロ。


クラブのオーナー:  まったく、こう疫病神に囲まれちゃ、商売になりゃしねぇ

話は3日前。

リュウジさんの演説の3日後になる。

リュウジ: 人が増えたな


リュウジさんは、ぼーっとチンユさんの方を見た。

チンユ: 演説の噂を聞いたんですよ。みんな期待しています。

リュウジ: 俺達の議会を作るんだよな。でもどうやって?俺には何からやればいいんだか

チンユ: 先ず、私達が草案を作ります。そして議会の設計図も

リュウジ: 議事堂でも建てる気か?

チンユ: まさか。議会の役職とかですよ

リュウジ: 何だ。で、出来てるんだろ

そう言うと傍らのチンユさんの頭を抱きかかえて、撫で回すリュウジさん。

チンユ: ええ

リュウジ: お前ってやつは

そんな2人に話しかける中年の男の姿があった。

クラブのオーナー: お前がリュウジだな。ここの連中の責任者の

リュウジ: 責任者ってわけじゃ

クラブのマスター: 責任者でもリーダーでも何でもいい

お前達で充満しているお陰で、客が寄り付きやしねぇ。

責任とれ


チンユ: せ、責任

リュウジさんとチンユさんが顔を見合わせた。


クラブのオーナー: ずーっと売り上げがねぇ。

お前らのせいだ。

再来月ともなれば、俺は破産だ。

だから、俺の店を買い取れ


リュウジ: 買い取れって

クラブのオーナー: お前ら新しい社会を作るんだってな。

まぁ、これだけ雁首並べてりゃ、小銭くらいは出来るだろ。

ま、入れ



クラブのオーナーは、自分の店、モンテサクロを指差します。


クラブのオーナー: なにも直ぐに払えなんて言っちゃいねぇよ。

要は出世払いだ。

お前らが払えるようになったら払ってくれ。

どうせダメになるんだ。

ここにあるものは、何でも使っていい



リュウジさん、チンユさんの議会開設作業が、


1歩進んだ。



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