今回は前回の記事↓の続きで、前回の入門レベルからちょっとマニアックになっています。
 
電車はモーター(動力)がついてる「M車」とモーターがついていない「T車」がある割合でつながって列車の編成になっている、というお話をしました。
在来線の電車はMとTが半々くらいですが、新幹線はほとんどがMです。よく全車両がモーターがついていると言われますが、それはごく一部だよ、という話でした。
 
 

 動力分散型と動力集中型

在来線の標準的な電車であろうと、新幹線であろうと、「電車方式」なのですが、「機関車方式」の列車も存在します。
「電車方式」は動力分散型、「機関車方式」は動力集中型ともいいます。
機関車方式を採用しているのは、主なものに貨物列車や寝台特急があります。
 
これらの列車は長距離をはしるため、区間によっては非電化区間も走ります。そのため区間によって電気機関車やディーゼル機関車を付け替えることで、通しで走れるようになります。
 
寝台特急は、長距離をはしるため客車にモーターをつけずに静粛性をはかるというメリットもあります。
 

 電車方式のメリットは

電車方式(動力分散型)のメリット3つ説明します。
 
①電車方式(動力分散型)のメリットは加速性能をよくすることができます。鉄のレールと鉄車輪というのは摩擦が小さいので、牽引できる力の限界が小さく、限界を超えると滑ってしまいます。先頭車両の機関車だけ動力を持っているというのは加速には不利になるのです。
 
②電車方式のもう一つのメリットは線路への負荷が少ないことです。
機関車は重量が大きいですが、電車は分散している分それぞれは軽くなります。全体での重量ではなく、最大の重量(厳密には車輪あたりの重量)が大きいと線路に負荷をかけ、また、橋の強度にも影響します。
 
③三つめは、折り返しのときに機関車を付け替える必要がないことです。終点駅まできて、折り返しで来た方向への行先をかえて発車していく電車がありますね。
 
今度は電車方式のデメリットについてです。
 
一つは、モーターやその関連機器が多くなるので、メンテ費用や手間がかかることです。
 
また、上でも少し述べましたが床下にモーターがあることで、静粛性については不利になります。
 
これも述べましたが、電車なら非電化区間は走れません。さらにいうと電化区間でも交流の電化区間と直流の電化区間があります。両方対応している電車も中にはありますが片方だけ対応では違う方式の区間は走れません。
機関車方式なら、機関車を付け替えることで対応できます。乗客が乗り換えたり、貨物列車なら貨物を載せ替える必要がなく、異なる方式の区間を走れます。
 
 

 海外は機関車方式が多数

海外の高速鉄道(=新幹線)は特にヨーロッパでは、近年は徐々に電車方式に移行してきているようですが、機関車方式が多数派です。
フランス、ドイツ、スペイン、フランスとイギリスの英仏海峡などなどがそうです。
 
どうして高速鉄道でも機関車方式かというと、特に大きな理由はなく、そういう伝統のようです。昔から機関車でやってきて技術が培われてきたからだと考えられます。
でも機関車方式で高速で走れば、線路に負荷をかけることになりますが、ヨーロッパは、地盤が固いところが多いので大きな問題にならないそうです。
 
また、折り返しのとき、不利じゃないかと思うかもしれませんが、ヨーロッパの高速鉄道の列車は先頭と最後尾の両端に機関車がつながれています。ですので、折り返しで機関車を付け替える必要はありません。
 
↓新幹線と同じように見えなくもないですが、先頭車両電気機関車のため、窓がありません。
 
フランス高速鉄道、TGV (写真はWikipediaよりhttps://ja.wikipedia.org/wiki/TGV
 
 
以上、鉄道の豆知識を紹介させていただきました。
へえ~という内容はありましたか?これら、テストに出ますからね!!
 
 

 

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