こんにちは。
直接雇用歴10年・派遣社員歴20年のロウです。
今日は派遣会社の粗利益について、できるだけ分かりやすくお話しします。
派遣料金の内訳ってどうなっているの?
まず整理すると、
派遣料金=派遣社員の給与+派遣会社の運営費(マージン)
です。
この「マージン」が
・中抜き
・利益そのもの
のように誤解されがちですが、実際には利益として残るのはごく一部です。
大半は「派遣会社を運営するための必要経費」に使われれています。
では、その運営費とは何なのか?
ここから詳しく見ていきます。
①派遣社員の法定福利費(社会保険料・有給など)
派遣社員が社会保険に加入していれば、会社が負担する分があります。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険(全額会社負担)
- 有給休暇を付与した際のコスト
これらはすべて派遣会社のマージンから支払われるため、大きな割合を占めます。
②派遣社員の採用・教育にかかる費用
派遣会社は常に新しい派遣社員を確保し続ける必要があります。
- 求人広告費
- 登録対応や面談の人件費
- 教育・研修の費用
採用と教育は”見えないコスト”ですが、非常に大きな負担です。
③営業・管理部の人件費
派遣会社の社員(営業・コーディネーター・事務など)の給与や人件費がここに含まれます。
派遣業は「人が人をサポートする仕事」なので、
人件費比率が高い業界です。
④営業・管理部の法定福利費
社員が働く以上、派遣社員と同様に法定福利費が発生します。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険
- 有給休暇にかかる費用
これもマージンに含まれます。
⑤会社運営のための一般管理費
会社を運営するためには、固定費がかならず発生します。
- オフィス賃料
- 勤怠管理システム・給与計算ソフト
- 通信費、PCなどの設備費
- 法令遵守のための費用(派遣元責任者の維持など)
- 広告・宣伝費
特に、小規模の派遣会社ほど、こういった固定費の負担が重くなります。
マージンの実際の配分イメージ
一般的な配分をざっくり表すと…
- 法定福利費
- 派遣会社社員の人件費
- 採用費・教育費
- 会社の固定費
- 最終的な利益(数パーセント程度)
たとえばマージン率が30%だとしても、
会社に利益として残るのは本当にわずかです。
「派遣会社は中抜きしすぎ」
というイメージとは、かなり違う実態があります。
派遣業は”粗利が低い”ビジネス
派遣料金の大部分は「派遣社員の給与」と「運営費」で消えていき、
実際に残る利益はわずか。
見た目の数字とは裏腹に、利益率はとても低い業界です。
最後に
一般的には
- 派遣会社=中抜きで儲けている
- 派遣社員=中抜きされて弱い立場
というイメージが広がりがちです。
ですが実際には、
- 社会保険の負担
- 有給付与
- 採用コスト
- 営業・管理部門の人件費
など、派遣社員の就業を支えるための多くの費用がマージンの中に含まれています。
もちろん、問題のある会社や担当者が存在するのも事実です。
ですが、派遣先から支払われる派遣料金は、派遣社員と派遣会社双方の労働によって成り立っているという視点も、知っておく価値があります。