『現代語訳 武士道』 新渡戸稲造 著 山本博文 訳・解説 ちくま新書
前から一度読んでみたいと思っていた、新渡戸稲造の『武士道』。
原著は英文で書かれていて流石に読めないので、翻訳されたこの新書で
この名著を読んでみることにしました。
武士道そのものについて書かれたというよりも、
日本人の精神の根底に流れる考え方の規範や
文化、価値観について、背景を鋭く分析し、
欧米の文化との対比で紹介しているという点で、
優れた日本文化論だと思いました。
100年以上前に書かれた書物なのに、すごく軽快な筆致、
また著者の西欧文化の博識に驚かされました。
翻訳も現代語でわかりやすくてスムースに読み進めました。
桜の季節に読んだことも収穫だった気がします。
いろんな面で発見が多い読書となりました。
【目次】
道徳体系としての武士道
武士道の源泉
義―あるいは正義について
勇気―勇敢と忍耐の精神
仁―惻隠の心
礼
信と誠
名誉
忠義
武士の教育
克己
切腹と敵討の制度
刀、武士の魂
女性の教育と地位
武士道の影響
武士道はまだ生きているか
武士道の未来