ポール・スミザーさん講演会@萌木の村 | ぐんまの庭を目指して

ぐんまの庭を目指して

群馬県の平野部に住む家でガーデニングをしています。イングリッシュガーデンでもなく、和風の庭でもない、「ぐんまの庭」「我が家の庭」を目指して、試行錯誤中。
使用カメラ:Pentax K-3II

昨日から家族で清里の萌木の村へ遊びに行ってきました。

 

 

到着したのはだいたい昼頃。ちょうど雨がばーっと降ってきたのですが、ちょっと待っていたら雨が上がってくれました。朝から天気が不安定な状態。

 

 

雨が上がったばかりのナチュラルガーデンを歩く。このガーデンはポール・スミザーさんが作った庭。

この週末はナチュラルガーデンフェアというイベントを行っていました。

全体がお祭りムードでいっぱい。

 

昨年の10月にカントリーフェスタで萌木の村へ行ってきましたので、およそ半年ぶり。

その間にもだいぶ変化があった気がします。

 

Rock側からの歩道もちょっと変わっていたし、その反対側も花壇を新しく作ってありました。

日が当たるように、今まで目立っていた木をいくつか切ったものもあってみたい。

 

前を歩く息子二人。右側の花壇は新しくできたもの。宿根草がまだ小さいですね。

 

中央の広場はイベント会場。前から興味あったハンモックチェアに座ってみたり、たくさんの宿根草苗が売られていたので、それを眺めてみたり。

 

 

さて、ナチュラルガーデンフェアに行った一番の目的は、ポール・スミザーさんの講演会に参加すること。

タイトルは

 

『WHAT CAN YOU DO?』
〜破壊するだけが能じゃない
  ヒトは環境をつくることもできる〜

 

でした。

 

スライドの最初のページ。「なぜモアイ?」と思うけど実は意味があった。

 

講演の内容から、印象に残ったものをざっと書いてみます。

  • 全体は「環境」の話。植物の育て方の話とかではありませんでした。
  • では何の話かというと「庭作りは、私たち一般の人ができる、環境を守るための一つの行動」というポールさん流の考え方についての話。そして実際に全国いろいろな場所でガーデンを作る中で、ポールさんが実践してきたことについての話。
 

萌木の村にある小川。U字溝をやめて自然な流れを作ったことで、生き物が増えた。

 

  • 冒頭のイースター島や、イギリス、ニュージーランドなど、人間の手が入ったせいで、森が消えてしまい、生き物がいなくなってしまったような場所がたくさんある。
  • でもその一方で、荒れてしまった土地に人が手がうまく手を入れて、10年20年かけて自然環境が戻ってきた場所もある。自然界では植物、動物、鳥や虫、微生物たちが複雑に共存しているのだから、人間はそのことを知ってうまく自然にまかせれば、生き物が多様に生きる場所はまた作れる。

 

萌木の村に入ってすぐの場所。ほとんど砂利しかない場所で元気に育つ宿根草たち。

 

  • 私達が作る庭でも、スケールは小さいけどそうした「小さな自然」は作れる。背が高い木、低い木、宿根草などがあって、鳥や小さな生き物が隠れられるような場所があって、小さくてもいいから水がある、などなど。その逆の代表例が「生け垣と一面の芝生の庭」「庭には落ち葉一つ落ちていなくてダンゴムシも生きていけないような庭」など。
  • そんな限られた種類の木と芝生しかない公園を、ナチュラルガーデンに作り変えてきた実例を、いくつか紹介してくれました。萌木の村や鳥取の湖山池ナチュラルガーデンなど。殺風景だった単調な庭が、現在のようなナチュラルガーデンに変わっていく様子を見ていたら、講演を聞いている人達から感嘆の声が上がっていました。私もなんだかじーんときてしまった。
  • ポールさんが何度も言っていたのは「必ず自然は戻る」という言葉。多様な生き物たちが自分の庭で生きていけるようなことを考えれば、そこに必ず生き物はやってくるし、土は良くなるし、植物は肥料も農薬もなくても元気に生きていく。
  • 優しいユーモアある語り口だけど、幅広い知識と積み上げてきた経験と実績から出る言葉なので、とっても心に響く内容なのです。

 

およそ90分間の、とっても刺激を受けた講演が終わって外に出る。先に近くのホテルへ行っていた妻に迎えに来てくれるように電話して通話が終わってみたら、ちょうど会場から出てきたポールさんとばったり。

ちょっとの時間だけどガーデンを一緒に歩いて庭のことについてお話しすることができました。教えて欲しいこと、まだいっぱいあるな〜。

 

 

講演が終わって帰るときは夕日がガーデンの緑を照らしてキレイでした。

でも高原の風は意外と寒かったです。気温は15度くらいになっていたかな?

 

この後は、萌木の村の近くにある「高原食堂」で、家族でカツカレー食べてから宿泊するホテルへ移動したのでした。