変形性膝関節症に対して当施設で行なうリハビリ
当施設では、変形性膝関節症に対して以下の治療を行います。
以下に示されている全治療を行うというわけではなく、その方に適した治療法を選択し、必要な治療を行います。
運動療法
・膝を支える筋肉(膝関節周囲や股関節周囲)を鍛えます。これにより理想的な関節運動が行えるようにします。
・姿勢の改善を図り膝関節の負担軽減につなげます
〈イメージ〉
徒手療法
・ゆがんだ状態で固まった筋肉などを手技によってほぐします。
(これにより骨のねじれを整えます)
〈イメージ〉
物理療法
機器を用いて、痛みを和らげたり、筋肉の活動を高めます。
1) 温熱療法(ホットパック、マイクロ波)
①ホットパック
温熱療法は、痛みの原因となる患部を温めて血行を良くすることで、筋肉の緊張を緩和する効果があります。慢性的な腰痛や肩コリに効果的です。
②マイクロ波
患部の深部まで温めることで血行改善・新陳代謝を促進し筋肉や関節内部の痛み、神経痛による症状の緩和を図ります。
ホットパック
マイクロ波
2) 電気刺激療法
病気によって動かしにくくなった筋肉や神経に電気を流すことで様々な症状に対して治療を行う方法です。
変形性膝関節症とは
医学的治療
初期
【症状】立ち上がり、歩き始めなど動作の開始時のみに痛む
【治療】
保存療法
薬物療法
・鎮痛剤
・関節内注射
痛みを抑えたり、関節の動きをよくする
装具療法
・足底板
・膝関節装具
痛みを抑えます
理学療法・生活指導
・理学療法
(運動療法・生活指導)
膝への負担を減らす
中期
【症状】正座や階段の昇り降りが困難
【治療】
関節鏡視下手術
・関節鏡で膝関節の中を掃除します
・変形した半月板や軟骨、増えすぎた滑膜や骨の棘(とげ)を処理します。
高位脛骨骨切り術(HTO)
末期
【症状】安静時にも痛い、関節の変化が目立つ。膝が伸びにくい、歩くのが困難。
【治療】
人工関節置換術
・関節を金属や樹脂の人工物に入れ替えます。
・入院期間が短く、手術後からすぐに立ったり、歩いたりすることができます。
自宅で出来る運動療法
膝関節の動きを大きくしましょう
・痛みや辛さを感じる強さのストレッチは、逆効果です。
・痛みのない側も同様にストレッチを行いましょう
・ストレッチは呼吸を止めず、無理のない回数でゆっくりと行いましょう
・動きが悪い方や痛みが強い方は理学療法士や医師にご相談ください。
①膝の曲がりをよくします
かかとをつけたまま膝を曲げ、しっかり曲がったところで、保持します。
ストレッチの時間:5秒
②ふくらはぎの筋肉を伸ばしましょう
前に出ている膝を曲げることで後ろ側のふくらはぎを伸ばします
ストレッチの時間:30秒
※かかとを床から離さない
③太ももの裏側の筋肉を伸ばしましょう
背筋をまっすぐに伸ばしたまま、上体を前に倒して、姿勢を保持します。
ストレッチの時間:30秒
※バランスが悪い時は手を床についてもかまいません。
④太ももの内側の筋肉を伸ばしましょう
足を外側に倒し、太ももの内側を伸ばします。
ストレッチの時間:30秒
※反対側の足は伸ばす
⑤太ももの前側の筋肉を伸ばしましょう
伸ばしたい側の膝を曲げ、足首や足先をつかみます。かかとをお尻に近づけるように膝を曲げ、太ももの前側を伸ばします。
ストレッチの時間:30秒
※反対側の足は伸ばす