作業療法とは
作業療法とは、OT(Occupational Therapy)と呼ばれ、身体や精神の障がいのある方、またそれが予測される方に対し、体や手を動かすなどの作業活動を用いて、治療、指導および援助を行う治療です。「こころのリハビリ」ともいわれています。
当施設の目指す作業療法
当施設が目指す作業療法は、その方の歩んできた人生を知ることから始まります。
今の生活に幸せを見出し生活されている、生きがいとしていることがあるのであれば、それが続けられるよう支援していきます。
高齢、病気等さまざまな理由により日々の生活にやる気を見いだせずにいらっしゃる方に対しては、再び、生きがいを持って生活が出来るよう支援していきます。
そしてその一つの手段として作業活動の提案、提供をしていきます。
実際の治療例
A様女性の場合
病気をして手足が不自由に。
いつも支えてくれている夫のために、再び手作りのおかずを作ってあげたい。
【治療プログラム】
1)セラプラストを使用した訓練
麻痺側の手に一定の力が入るよう(野菜などを押さえることを可能とするため)セラプラストという粘土のようなものを使用し、手指の力をつけます。
2)関節可動域訓練
麻痺による体の硬さをとり、動作獲得のために必要な関節可動域の確保と拡大を図ります。
3)立ち上がり・歩行動作訓練
台所で料理を作るため、下肢の筋力を強化し、立った姿勢を一定時間保てるようにします。
"挑戦したくなる"作業場完備
リハビリテーション室には、作業場が完備されています。
この作業場の掲げる目標は、たくさんの方に作業活動に楽しんで参加して頂くこと、そして、生活に楽しみを見出しを生きがいをもって人生を歩んでいただく道標になることです。
さらにこの活動により認知・高次脳機能向上、運動機能向上の効果が得られることを期待しております。
1)挑戦したくなる工夫
作品が花であれば、本物のお花に見た目を出来るだけ近づけたり、作品を見て「あっ!凄い!」「私にも作れるかな?」と思ってしまう、そんな素敵な作品をテーマにしています。
また、作業物品が利用者様から目に見える形で収納されていることにより、「ここで何か出来るのかな?」と、気になる空間作りがされています。
2)難易度別に掲示
難易度別に分けられた作品一覧が写真付きで掲示されていることで、「このくらいなら出来るかな?」と、思っていただける工夫をしています。
3)どんな作品も単純作業の組み合わせで完成
難しそうだな、と思える作品も、基本は、『切る』『貼る』『組み合わせる』といった単純作業で完成できる様に工夫しています。
折り方が分からない、切り方が複雑で難しいなど、取り掛かり始めて、すぐにやる気を失ってしまうような難しい作業は、できる限りはぶき、作業内容は、限定的にしています。
結果的に、作業過程全てにおいて、人の力をほとんど借りず自分で作り上げることができ、完成した際には、達成感、喜びを感じることができ、自信を得ることができます。「また作りたい!」という次へのやる気にも繋がります。
4)引き算作業で作業できる方が限定されない工夫
認知症などにより、3)で示した図の上記作業工程に問題がある場合でも、必要な作業のどれかを削ることで誰にでも出来る仕組みを取っています。
例えば花づくりで『折り紙をはさみで切る』が難しければ、切るの工程はなくして、切ってある花びらを使用します。
これにより『出来る』というプラスの感情を引き出せます。
作業療法が充実した施設
サンライズ湊は、作業療法士によるリハビリだけでなく、施設全体として作業療法を自然に取り入れている施設です。
やりたい気持ちを応援
例1)
デイケアA様
昔は漁師!網作りが得意!「誰かのために網を作りたい!」
デイケア職員
利用日は、お好きな時間に自由に網作りをして頂けるよう場所を確保するなど環境調整
※通所では、誰もが好きなことに取り組んでいる、というわけではありませんが、「これがやりたい」という気持ちをお持ちの方には、出来る限り寄り添えるよう関わりを持たせていただいています。
最高に楽しんで頂けるイベントを用意
行事担当者やレクリエーション委員会を中心に、利用者様に楽しんでいただけるイベント、レクに力を入れ企画しています。
楽しい!心からそう思えるようにと企画されているイベントでは、たくさんの方が笑顔となり、自然と体も動きます。
母の日
新年会
作業療法は、利用者様と向き合い、その方を知り、その方のために何が出来るか、ということを考えた時に、それは、作業療法士に限らず、誰にでも出来ることなのではないかと考えております。