CDもろくに買えない財政状況に陥った家庭の音楽愛好者は今、公立図書館からの音源供給に全面的に依存している。早い話、CDを買う金も借りる金もないから図書館から借りまくってるってことだ。
公立図書館の名は仙台市図書館。市内の各区に一個ずつある図書館の総称である。その蔵書&所蔵音源をすべての図書館の中から予約して、通える図書館で受け取ることができる。
予約はインターネットのHPからできる。早い話、パソコンで予約できて、行ける図書館で借りられるのだ。本なら10冊まで、CDは2セットまで(借りたいものが二枚組と五枚組とかなら、いっぺんに7枚借りられるってこと)。
初めに通い始めたの実は多賀城図書館で、CDを借りる、という頭はあんまりなかった。ただ、家に最も近くて、何やら楽しげだったから行ってみたのだ。そしてCDも2枚借りられることを知った。
Eric Claptonの各種ベスト, Hotel California以降のEagles, Van Halen, Guns & Roses, Sting, Santana, ARBのベスト, 吉田拓郎数枚、斉藤和義ライヴ、中島みゆきや中村雅俊のベスト、Beatles Anthology, Bluesの各種Omunibus等々、あるもので聴けそうなのは片っ端から借りまくった。
けれどBilly Joelのベストを借りたあたりで、そろそろ、もういい加減、という気配が漂ってきた。
そんな「さようなら、つかのま楽しかった日々」という気配の中で、思い出したのが自分が仙台市民であるってことだった。
仙台の図書館からCDを借りたことはあった。けれどその当時はまだインターネットでつながっていなかったんだと思う。若林の図書館で一回に1枚しかCDは借りられなかった。本は……忘れた。
いくらCDをただで借りられるとはいえ、ちまちま一枚一枚借りるのは面倒でそのうち通わなくなった。
今はどうなってんのかな、と検索した。すると出てきた「仙台市図書館」のページには一度に2枚借りられるとなっている。まずは一度行き、カードを作ってもらえ、と書いている。で、行った。二枚、何だか忘れたが借りた。インターネットでも予約できます、と言ってくれたかどうかは覚えていない。でもとにかくインターネットで予約することができて、一度に3枚予約することができて、そのうち2枚を実際には借りられるという。しかも予約の幅がでかい。前に一枚しか借りられなかった頃にはなかった「蔵書&所蔵CDネットワーク」が出来上がっていて、それが全市数区の図書館に広がっているのである。
蔵書&所蔵CDの検索バナーを押して、そして驚いた。
もうTsutayaは俺に必要ない、と思った。なぜかは↓をご覧いただければわかる。
https://hoozintro.exblog.jp/30085285/
RCや清志郎、ポリス、ジャパン、エリック・クラプトン、フリートウッド・マック、リトル・ウォルター等、
中古レコード屋CD屋に売っぱらった音源がどんどん戻ってきた。
カーペンターズやデヴィッド・ボウイのオリジナルアルバム、キンクス、トム・ぺティ等、中学時代から高校時代には絶対に変えなかった第三希望、第四希望で聴きたかった音源がどんどん借りられた。
中年を過ぎた頃から積極的には聞かなくなったレニー・クラヴィッツやU2、ライ・クーダー、スティングなんてのもガンガン借りられる。
さらには試しに聞いてハマったアル・クーパー、タジ・マハール、スティーヴ・ウィンウッド、そしてジョン・ハイアット!
音楽世界はどんどん広がっていった。
還暦を迎えた老人の入り口にいる人間がそんなに音楽の好みを広げて何になる、
そんなことを誰かが言うかもしれない。
でも、こんなに自分がロック好きだったとはと改めて驚いてもいるくらいなのだ。
こんなのが好きだったのか、とアル・クーパーやスティーヴ・ウィンウッドを聞いては思う。
音楽が好き。好きなら努力して手に入れたお金でCDを買いなさい。
これはモノを楽しむ時の礼儀かもしれない。音楽を作っている立場なら、タダで俺の音楽を聞くな、ということもあるかもしれない。
でも金がないなら聴くな、とは誰も言わないよね。言わないで欲しい。もし俺がいまだに音楽をやってたら、それでもし稼いでたとしたら、言わないと思う。聴いてくれることが一番だと思うだろうから。そうじゃなくちゃだめだと思うから。
そして明日もまた、オラ図書館に行くだ。
でもさ、なんでソウル・フラワー・ユニオンのは仕入れねんだ?