吾輩はヒトであるーー2吾輩はヒトなのである。 俺の首根っこをつかんで平気な顔をしているあいつらなんかよりも ずっとヒトなのである。 あれが――あの無神経きわまりない、想像力のかけらもない 俺を猫だと決めつけてやまないあいつらの姿こそが「ヒト」の本性には違いないのかもしれず、 だとしたらあれよりはもうちっとはましであると自覚しているこの俺は 到底ヒトとは言えないのかもしれないが、いやしかし俺はまごうことなき ヒトなのである。 本当に。