反原発派と原発推進派 | 愛と平和の弾薬庫

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●再稼働してはいけない理由
「反原発派」京都大学助教 小出裕章原子力発電がすべて止まる日は「原子力に頼らない世界」に踏み出す一番いい機会。


これから原子力をやるというのであれば、根本的なところに立ち返らなければいけない筈。何でもかんでもとにかく運転再開をやりたいという政治判断で、今回の選択が取られようとしている。

「原発推進派」東京工業大学助教 澤田哲生大飯の発電所に関してもすでにいろんな緊急措置もしているし、ストレステストの結果も出ている。その結果を決められた手続きに従って評価して、しかるべき結果であるという判断が出来るならば再稼働に結び付けていくべき。津波・地震、その他の事象が起こった時の耐性上の余裕の幅が広がったかという評価が出ているから、以前よりもさらに余裕が大きくなったという、その事自体は正当に評価されるべき。


●宇宙のはじまりと放射能

澤田宇宙の始まりはまさに放射線の海だったこのエネルギー源は、自然の成り立ちそのものだと考えている。原子力エネルギーというのは特別なエネルギー源ではない。
小出:澤田さんがおっしゃったように宇宙には放射線が充満しているし、地球というこの星が出来た時には様々な放射性物質があった。ただ、その時には生き物は生きられなかった地球がだんだん冷えていって、海や大気が出来て、宇宙からの放射線が遮られるようになって、ようやく命がこの地球上に根付けるようになった。放射線というものはもともと危険なものなのであって、それを人為的に生み出すというような事は本来ならばやるべきではない。



●これからの日本はどんなエネルギーでやっていくのか。
小出:原子力を即刻全部やめても、火力と水力で十分にやれる。ただし、これからもどんどん電気を沢山使いたいと言えばいつか破綻する。だからなるべくエネルギーを使わないで済む社会をつくらなければならないし、化石燃料になるべく依存しないよう、自然エネルギーに一刻も早く取り組むべき。

澤田日本は出来るだけ原発を動かして、世界の化石燃料市場に迷惑をかけないようにするべき

●福島第一から学ぶ?

澤田:津波が襲ったのは東日本一帯で、北から南まで相当長い海岸線に沿って起こっている。女川発電所は津波対策がしっかりしていたから安全に止まっている。福島第二は色々あったが結局安全に止まっている。第一発電所も、5号機と6号機は4号機のような事にはなっていない。ストレステストは結構時間をかけている。

小出:女川は外部の送電線から電力をもらう系統が1系統だけたまたま生き残っていた。福島第一の56号機も、空冷式の非常用発電機がたまたま生き延びたが、これは本当に偶然で、悲惨な事故になる場合もあるし、ならない場合もあった。ストレステストも「考えられるような事」に関してやっているだけで、偶然が支配する事に関してはほとんど無力。ストレステストを合格したからと言って、安全になるわけではない。その事をちゃんと理解したうえで、「危険を含めてなおかつこんなもの(原子力発電)をやる必要があるのかどうなのか」という事を考えて欲しい。

●「相馬市の警戒区域を解除された地域にボランティア活動に行こうと思うのだが」

小出:自分が住んできた町に戻りたいと思うのはみんな同じ。南相馬にしても川俣町にしても、そこでずーっと生活してきた方がたが「そこに戻りたい」という思いは、当然だし尊重したい。ただしそこは放射能で汚れている。日本は「1年1ミリシーベルト以上の被ばくをしてはいけない、させない」を法律にしてきた国。それを守ろうとするなら、やっぱり帰ってはいけない。特にこども達には帰って欲しくないそこに長い事住んでいて、思い入れの強いお年寄りとかがどうしても帰りたいと思うのはそうだろうなと思うが、子どもたちをそこにまた帰すという事に関しては私は反対。ボランティアにいって下さるという方の気持ちはありがたいが、その方々もそこに行けばもちろん被ばくをしてしまう訳だし、私のように被ばくをするという事を職業にしている人間と違うのですから、もしボランティアに行くというのであれば、ちゃんとした被ばくの管理がなされない限りはいくべきではない

澤田:ボランティアの人も、そこに住んでいる人、あるいはこれから帰宅される人も、客観的な情報を秤にかけて、最後はご自身で決めるしかない所が今のところある。



●「住めない地域があるという言葉は被災者を傷つける」のか

(澤田氏が自著で書いている言葉)

小出: セシウム137という放射能が半分に減るまで30年かかる。実際にはもう住めない場所はいっぱいある。そこをはっきりと国が言わなければいけない。帰れるかのような幻想を与えるような事はしてはいけない。次の人生を歩み出せるように、国がやらなければいけない。1ミリシーベルト以上の被ばくを強制される人たちが、もし逃げたいというなら、それを助けるのが国家の責任。

「原発について徹底討論」たねまきジャーナル4/18より