乗務中にいつもグルグル回ってる地域から、ある日、びっくりドンキーが消えた。
まさかタクシーの運転手が昼メシに薄っぺらなハンバーグなど食うわけもなく、
いや、一度だけなんだか無性に食いたくて食ったことはあるんだが、常連などになるわけもなく、
そんな店が消えようが、滅びようが、解散しようが、爆裂しようがどうでもいいんだが、
でも、程近い立地にびっくりドンキーは再出現し、まるでガラモン?ペギラ?バルタン星人?
なんて脳みそをくだらない感じに回してたら、元びっくりドンキーの地にレッドキングが現れた。
とても素晴らしい店!って意味です。
俺はそれを食ったことがなかった。
はるか西南に500キロも600キロも旅しなければ食えないと、
半ば、一生食えないんだろうなあ、と諦めたりもしていた。
讃岐うどん。
はまりました。
見事に、私はハマリました。
もうラーメンなんて食わなくてもいい。
スパゲティなんていらない。
ぶっかけ。
麺は、これだけ食えれば他に何もいらない。
お盆を持って注文の順番が回ってくると、私は、
「ぶっかけ、大、あったかいの!」
とはっきりした口調でおねえさん、ないし、おばさんに告げる。
てんぷらなんていらない。
お盆を台の上にすべらせて、380円を支払うと、
すりゴマを少々、
刻みねぎはたっぷり、
おろし生姜もちょっと多めに、
どかどかとあったかいうどんの上にのっける。
わしわしわし!
椎名誠がうまいものをがつがつ食らう時に、なぜこう表現するのか、
私は初めて知りました。
ぶっかけうどんはまさに、
わしわしわし!なのだ。
まるでスポーツ。
一気に食ってかすかな疲労感さえ感じるのだ。
あしたも言うぞ!俺は言うぞ!
「ぶっかけ、大、あったかいの!」