天気予報を見ていたら、明日からは秋、夏は今日でお終いです、なんてことを言っていた。
う~む、そう言われちゃなあ、という気分、ふっつふっつと沸き起こる。
一年寝かせたままの自転車が頭の隅に姿を現す。その像はどんどんふくらんでくる。
空気入れを持ち、俺は一階の自転車置き場へ向かった。
チェーンに差す油と車体を軽拭きするぼろタオルも持った。
自転車道はまったく手入れがされていない。
雑草がアスファルトに侵食し放題で、強欲な草の根はアスファルトを持ち上げ、ひび割れを作っている。
走りにくいったらない。
やってられねぇ!と俺の自転車は田んぼ沿いの道に下りていった。
と、ひとつの流行に気づかされる。
案山子の頭がすべてマネキンだ。
なんか、ちゃんちゃらおかしーという感慨が沸き起こってくる。
が、流行なのだからしょうがないのだろう。
おしゃくしょーさんはどっからか、より役に立ちそうなマネキンをチョータツしてくるしかないのだ。
一度は田んぼ道に降りても、目指す砂浜へ行くにはふたたび自転車道へ戻るしかない。
アスファルトの下を、今度は松の根っこが這い回っている。
ひび割れ道に疲れて一休み。右を見ると野球場。
今日は試合が組まれていない。
左を見れば、かの伊達政宗公が構築された貞山運河。
主ヅラして、カモが一羽。
再び自転車を走らせて行くと、やがて海側へ渡る小さな橋を渡ることになる。
橋の真ん中から運河を撮る。
南を向いてもう一枚。
この運河(通称貞山堀、伊達政宗は「貞山公」と呼ばれていた)は、阿武隈川の河口から塩釜湾まで、現在の亘理町、岩沼市、名取市、仙台市、多賀城市、七ヶ浜町、塩釜市と、七市町の太平洋岸に沿って掘られ、塩釜湾をはさんで東名運河、北上運河となって石巻まで続いている。要するにすごい長い。
はてさて、そんな貞山堀を横目に小さな橋を渡ると松の木がうっそうと生い茂る、少々不気味な道へ入っていく。
写真には撮らなかったけれど、道の脇のそこここにペットボトルや空缶の詰まったでかい袋が置き去られている。道の真ん中には大きな水たまりが次々現れ、落ちないようにバランスをとりつつ進んでいく。
道が土から砂地に変わっていって、もう限界となったところで自転車を降りる。
階段を一段一段。徐々に大きくなる海鳴り。
そしてついにご対面!
階段を登りきった途端にドドーンと波音が迫ってくる。
音ってほんとに不思議だね。こんな大きな音なのに、この程度の低い防波堤があるだけでぜんぜん伝わってき方が違う。
波打ち際に3人の女の子たち。間違いなく自転車の持ち主たち。
水平線に真っ白の船。
左には仙台港の建物や煙突。あまりいい景色とは言えないが。
波の音しか聞こえない。
夏景色。
飛行機に海岸線を知らせるポール?
夜になると光るんだろうか。
誰かの自己主張。
しっかり刻まれた波打ち際。
来てよかったなあ。
ほんとに。
じゃばじゃばじゃば……。
しゃわしゃわしゃわ……。
北は青空なんだが、
波はいつまでも。
飽きもせず。
カキ氷が欲しくなってくる。
………………………。
帰ろ。
帰路、ちょこっと買い物が必要だった。
多賀城方面へ向かうと、
こんな建物がある。
そして最近、こんなものも↓。
もうすぐ開店の「Mitsui Outlet Park」内に完成した観覧車。
きっと俺はこの秋、平日の昼間にでも乗りに来ることでしょう。
そして多賀城のYamada電器へ。Book Marketへ。やっと家のそばまで戻ってSEIYUへ。
一年ぶりにして2時間半の自転車旅でした。
ああ、ケツいて。
結局、8月20日の仙台の気温は31.8℃。
21日は大雨も降って20℃ちょっと。
22日は17℃。
夏のしっぽもタロと一緒。とても短いしっぽだった。