ボクシング界と言うべきなのか、芸能界ボクシング部門と言うべきなのか、そのへんはよくわからないけれど、テレビ局に目一杯持ち上げられ、目一杯世間の目を引いた亀田親子が目一杯叩かれてついに人気者の座から引きずり降ろされようとしている、亀田大毅反則試合大問題の幕引きに出てきたのは親玉のオヤジでもなく、ボクシングというスポーツに泥を塗ったくった大毅でもなく、長男の興毅だったが、その謝罪会見が世間に思わぬ好印象を与えたのは興毅の意外なほどのまじめさだったけれど、何よりも俺に「ええなあ」と思わせたのは、
「世界一の父親です」。
こんなセリフを人前で照れるでもなく、特に意気がるでもなく口にしてしまえる亀田興毅はきっと立派なボクサーになるんだろうなあ、とボクシングになどまったく興味のない俺にも思えた。
亀田史郎という人物がどんな人間かは知らない。
でも確かなのは、こんなしっかりした会見を開ける人間に息子を育て上げた人物には違いない。
うらやましいね、俺は、この親子が。
ホームレスのおっさんとそのおっさんに連れられてる薄汚れた犬と同じぐらいうらやましい。
わかるかな。