「榴岡公園」と書いて「つつじがおかこうえん」と読む。だから仙台人は「榴」と書いて「つつじ」と読むのだと思っている人が多い。と言うか俺がそう思っていた。ところがある日ラジオを聞いていて驚いた。なんとこれは単なる当て字なんだそうだ。どうりでいくらパソコンの前でねばっても変換されないはずだ。
つつじは正しくは「躑躅」と書く。この漢字、変換されるから簡単に出てくるけれど、書いたことはない。
「榴」は石榴(ざくろ)から来ているらしい。ざくろのように真っ赤に咲き誇るつつじに、なぜか昔の仙台人があてがったらしい。そうラジオの人は言っていた。なぜそんなややこしいことをしてしまったのか。
きのうはこの榴岡公園(つつじがおかこうえん)という桜の名所(ますますややこしい!)の中にある野外ステージに風ズのライブを見に行った。ひさしぶりひさしぶり。さんざん誉めそやしている割には彼らのライブを見るのは去年の暮れ以来なのである。
いや実際には今年の2月にもとあるライブハウスに見に行ったのだが、出番がほぼ11時、翌日お仕事(5時半起床)の俺は「くそ!」と席を蹴って出てきてしまったのだ。いやはや大したファンではないね。認めます。
そんな俺でも真昼間のライブならと、伴侶同伴で見に行けた。彼らの出番は12時半からだとう言うので、仙石線(我が家も榴岡も仙石線沿いである)の駅に11時50分頃に出向いたら、あらなんとcdmatちゃん(本人はいつもの呼ばれ方で読んでね)を伴侶が発見。友達だ友達だと言っている割にはお互いのいろいろがあって、なんとこっちはほぼ二年ぶりの再会。話しているとお互いのいろいろどころか、もうそれはcdmatちゃんにはとんでもなくいろいろあったようで、伴侶が「教えてくれなくちゃ~」とか言ったが、教えてもらった所で何ができたというのであろう、難しいところだ。いやしかしこうして顔を合わせられるのは、薄情な友達なりにと言わなくちゃならないだろうが、やはりかなり嬉しい。で、三人で電車に乗り込む。
楽天イーグルスの宣伝大々的なる榴岡駅(ここから歩いて5分ほどの所にフルキャストスタジアムがある)で降りてすぐの公園へ入っていくと、誰かがEW&Fの「Shining Star」をやっているのが聞こえてくる。いつでもどこでも野外ステージからこぼれてくる大音響は胸を躍らせる、と共に、一種の息苦しさを感じさせる。と言うか、本当はやましさ。自分はまったく遠ざかってしまったなあ、というやましさだ。大音響が時おり、「裏切者!」と聞こえてしまう。だから嬉しくも苦しい。
野外ステージの脇まで行き着くと、小さなテントを張った中に「とあるライブハウス」の店長が鎮座。cdmatちゃんのことには気づいた(音楽関係に顔の広いcdmatちゃんなのである)ようだが、俺の顔には気づかなかったようだ。やれやれ。まあ、疎遠になっちまってるからね。薄情人の人間関係。
はてさて、そこから観客席に乗り込んでいくといるわいるわ。風ズの面々はもちろんのこと、知った顔、懐かしい顔、どっかで見た顔、etc。そして隣りには伴侶がしっかりいて、いやあ、なんか知らんが心強い感じ。なぜだろう。
風ズはポーグスの「Dirty Old Town」で始まって、ウディ・ガスリーの「This Land Is Your Land」なんかもやったけれど、ピカイチだったのは、ニール・ヤングの「Heart of Gold」っぽいカッティングで始まる、ショーイチsingsの「俺の好きなR&R」だった。
しかしまあ、いろんな人と再会できるってのは楽しいね。それぞれの子供たちなんかも来ていて、その変化(成長というより、あれはもはや立派な変化だ!)にも触れられたりもして。
「行けない場所はあまり作らんほうがいい」
ってのは、いつだったか何かのドラマで聞いた、と言うか「拝啓父上様」で奥田瑛二が言っていたセリフだけど、そうだね、そういう場所はまずいラーメンやぐらいにしといたほうがいいんだろうね。