プロ野球ってのは毎年毎年よくも俺たちを打ちのめしてくれるもんだ。言い分はいつも同じ――あんたら単なるファンだろう?
「なんぼ負けても俺たちゃ応援するぜ!の楽天」も先人の轍を踏んだというわけだ。これで名実ともにプロ野球界の仲間入りです。
38勝95敗1引分け(9月25日現在)――要はこういうことになってはいけなかったということなんだろう。どんなに準備期間がなかろうが、まともに戦える戦力がなかろうが、「もうちょっと勝ってもらわなくっちゃなあ」なのだろう。権力をもてあそぶガキどもが……。野村とコンタクトが取れてそんなに嬉しいか?何者かになれた気分か?
いくら「勝てるチーム作りを目指す」と言っても選手をすべて入れ替えるわけにはいかない。指揮官なら一人で済む。それがファンにとってどれだけ象徴的な人物であろうとも。
仙台にプロ野球が来た!それだけで浮かれた一年だった。その象徴的存在だったのが田尾安志という監督だった。有銘が完封初勝利すれば、「やったね!田尾ちゃん!」だったし、それに続いて朝井が勝てば、「嬉しいね!田尾ちゃん!」だったし、一場が西口(西武)と張り合って9回を無失点に抑えれば「やればできるんじゃんね!」だったし、三番にしっかり腰をすえた吉岡が確実な働きをしたり山崎がホームランを打つたびに田尾さんの胸の奥から湧き上がるものを共有したもんだった。とてもわかりやすい形で田尾さんは俺たちに喜びを共有させてくれた。
しかしまあそんな田尾さんにしても予測はしてたんだろうね。頭がキレル奴らに雇われたその日から、こんな日が来ることを。心の中から消えないそんな暗雲が現実化しちまっただけなのかもしれない。人がいいんだ。
野村克也さんに恨みはございません。しかしこうなったからにはどんどん育てて再生させてガンガン勝っていただき、プレーオフに食い込んでいただきやせんと……!