美貴に会って欲しい

そう言った泰文の意図は何なのか 

僕には分からなかった







仕事が落ち着いたと言って

泰文は自宅に帰って行った



遂に嫁に

離婚話を持ちかけるのか

僕はそう思っていた








そして数日後

泰文から連絡が来た






嫁に話した

受け入れたわ






えっ!?

受け入れた!?

あの人が!?





実家に帰ったわ

向こうには近くに姉も居るし

〇〇(娘)の面倒も協力して

見てくれるらしい





お前、娘から離れるの辛くないん?

あんなに可愛がってたのに





大丈夫

会いたい時に会ってもいい

そう言ってくれたから


離婚届は来月には出すつもりでいる








まさかの結末だった


あの嫉妬深くて

束縛が激しい嫁が

簡単に首を縦に振るとは









ところで

来週の土曜日

空いてるか?




なんもないけど





前に言ってたやろ

美貴と会って欲しいねん





良いけど

なんで俺に?





美貴が会いたいって








なぜ僕に会いたいのか

全く意味が分からなかった


美貴とは同じクラスだったが

そこまで話した事もなかった


泰文の気持ちはわかっていたので

僕は彼をいつも

応援する立場だった


その彼女が

僕に一体何の用があるというのか








そして約束の日が来た







しかしそこから

一波乱も二波乱もあるとは

全く思いもしなかった









































1993年ベストソング第4位

Give Me A Sign/TALISMAN


名盤『GENESIS』から2曲目のチョイス

これはかなりの名曲

展開もメロディも演奏も完璧


マルセル・ヤコブの才能は素晴らしい