写真を整理していたときのこと


娘に貰った手紙を

写真に撮って残しておいたものが出て来た




僕は次女が小学校5年生の時に離婚している


その時長女は高校1年生

猛反対された



〇〇の事考えたら

離婚なんか出来ひんはずや!


〇〇はまだ小学生やで

離婚が何なのかも

はっきり分かってへんのに!



涙ながらに長女に

訴えられた時

僕は申し訳ないという気持ちで

いっぱいだった


でももうあれ以上

夫婦生活を続けるのは無理だった


お互いに罵り合い

軽蔑し合い

挙げ句の果てには

無視の日々


何かの歯車が狂った瞬間に

夫婦という関係は

簡単に破綻してしまう


そう まさしく

いとも簡単に




その一年後

次女は小学校を卒業した


その時に貰った手紙


離婚の事は一切触れられていない


娘の中では途轍もなくショックな

出来事だっただろう


悲しみや怒りが

渦巻き

立ち直るまで

相当な時間がかかったと思う


なのに

この手紙には感謝の言葉しか

綴られていない




僕は泣いた

ボロボロに泣いた



ごめんな

こんな父親で


ごめんな

こんな家に育ってしまって



そして

自分を責めた


塞ぎ込んだ




でも

娘は最後にこう書いていた


いつか恩返しします



こんな酷い仕打ちを受けたのに

恩返ししてくれるのか



こちらこそ

ありがとうと言いたかった



こんな父親に

ついて来てくれて


不安しかなかったと思う



あれからもう7年



次女は大学生になり

彼氏も出来た


毎日笑顔いっぱいで

過ごしている



こんな幸せがあるだろうか





僕も娘二人に伝えたい



いつか

いつの日かきっと


恩返しします




幸せになってくれて

ありがとう