先月の話で恐縮だが、6月17日は「お巡りさんの日」だそうです。


1874年、日本ではじめて巡査制度が開始されたのに合わせて、警察官(おまわりさん)という職業が誕生した日だそう。警察職員の方々へ、日々の職務の慰労と感謝をここで表明したいと思います。


トップの写真はそんなお巡りさんの日にほど近い6月某日、北大塚で遭遇した景色である。解説をすると、これは酔っぱらって路上で寝ている人を介抱している場面ではない。分かり辛いがお巡りさんは二人いて、一人がグレーのズボンを履いている人物を寝そべりながら羽交い絞めにして制圧しており、もう一人が補助しつつ無線で連絡しながら応援のパトカーを待っているという、なかなか緊迫度の高い状況だ。


さらに付け加えると制圧されている人物はこの数分前に警察官の確保から一度逃走をしており、羽交い絞めをしている警官は執念の二度目の確保を果たしたわけだ。足をしっかりと絡ませ被疑者の自由を制限し「逃すまじ」をまさに体現している。





そんな場面に遭遇した訳だから、常日頃お巡りさんへの敬意に溢れているおれとしては少しでも協力をしたい気持ちになったわけだ。


とはいえ、協力と邪魔は紙一重。そもそも協力が必要な場面かも分からないので不用意に近づかず距離は取ったうえで、万が一再度逃走を企てた時のために背後の道をなんとなく塞ぎ、ニューバランスのスニーカーがやけに特徴的だったので万が一の人着情報のため写真をとっさに撮った。


結果的にはほどなくしてパトカーが到着し、被疑者は無事連行されたので、おれの撮った写真はお巡りさんの活躍を捉えたショットとなり、かくして北大塚の平和は守られたという顛末だ。めでたし、めでたし。


おれはお巡りさんという職業と警察組織が好きで、敬意を持っている。そうなった経緯は色々あるが、一つは仕事の中で、まぁまぁ死ぬ確率がある職業ってそんなないよね?その特殊性。


不慮の事故とか思わぬ過失が高い頻度で起きやすい、危険な職業というのはあると思うんだけど、警察官と言う職業は、時に殺意をバキバキにみなぎらせている相手をどうにかしなければならない時があって、その対象の規模や武力や突発性によっては不慮ではなく、道理や必然で負傷したり最悪死に至ることもあると思う。


それに対抗するために、国から与えられている権力や許容されている暴力があると思うけど、現状、突発的な悪意には後手にならざるを得なく、それを引いてしまった時というのは深刻に命の危険が脅かされる職業だと思う。


だからその職業に従事しようと思った精神に感嘆を覚えるし、また命が懸かる仕事だからこそ、それを執行する組織も民間のような試行錯誤込みの組織運営やお題目的な成果目標の設定は出来るはずもなく(本来、するはずもなく)、合理と実績を突き詰めて仕事をすることが必要なはずだ。


この特殊性を帯びる職業が、民間でクソのような権力争いや会議の場で建前しかない成果報告を聴いてきたおれにとって魅力的に映るのはそうおかしいことではないだろう。


そんで!こっからが本題なんですけど!


去年からYOUTUBEショートやTikTokなどの動画SNSを見るようになって、おれのニーズに合わせてか(笑)警察関係の動画をちょくちょく目にするようになったんだけど、3分の1くらいは「警察24時」の切り抜き動画でこれは地上波で放映した番組の見どころ部分を切り抜いているだけなので何ら問題なく、「おお、刑事ってかっこいいな」とか思ってみている。

もう3分の1は首都高や幹線道路で、なんらかの道交法違反を起こしたドライバーが検挙される瞬間の動画を切り抜いたもの。これも法令順守の啓蒙にもなるし、また推奨される運転の仕方や覆面の見破り方などの勉強にもなって問題はない。わりと有意義な動画だ。

で、最後。残り3分の1は、配信者的な人が自分が職質を受けた時の様子を撮影した動画。


なんかね、見てていらいらしちゃうんですよ。


よく分からない行動原理が一部の配信や動画アップ大好きな彼/彼女らに働いててさ、「職質をこう言えば回避できる」だとか、「無礼な職質にぶっこんでやった」みたいな動画を上げている人たちが一部いるわけ。


とりわけ、後者のぶっこんでやった行為を主眼に動画上げている人は結構な確率で「職務質問はニンイですよね?」「公務中にショウゾウケンはありませんよね?(とか言って動画を撮る)」「ショクムシッコウホウの何条の規定ですか?」とか。。ちょっと法律用語をかじった奴が嬉々として覚えたての言葉を使って警察官を困らせていて、その困っている様子を上げて「言ってやった」とか宣っているわけなんですよねー

 

中学生か…まぁ高校生まででしょ。警察官へのいきりが許されるのは。


警察官困らせてバカな動画を上げている奴へのヘイトが強いから批判ありありで書きましたけど、正直、おれも若い時はお巡りさんを困らせるようなことはした。懺悔します。若かった。


ちょっとヤンキーな中学生、高校生にとってお巡りさんは先生と親以外にまともに接してくれる数少ない大人であり、構って欲しいんだよね。当人たちにそのまま聞くと「そうじゃない」って回答が来ると思うけど。



そして、お巡りさんはお巡りさんで舐めているガキと言えど犯罪の立件が出来ない状況だと攻撃的な対応を取ることは難しいので(特に交番にいる警察官は)ガキの舐めと大人のルールの間で煮え切らない対応をせざるを得ないと思うんだよな。


大人になれば、それに気づいて、無駄にお巡りさんを困らせるようなことはしなくなるのが普通。


けど、動画の撮れ高だか、あるいは本当に本人の性分なのかわからないけど一般的にはグレーとされていて警察官に少しもの申せる情報をかじった恥ずかしい大人が臆面もなくニンイデスヨネとか言うんですよ。


あのな、お巡りさんはお前らの動画の再生数を上げるための存在ではなくて、業務の中で命を懸けていて、しかも納税している国民全員の大切な組織なんだよ。

家族とか恋人とか友達が万一殺されたらぜっったいに警察頼るでしょ?そんときに、クソみてーな配信者が自分の所轄の警察官のリソースを割いてしまっていて緊配に穴が出来て犯人を取り逃したとかもし起きたらどうするんだよ?おれは億が一でもそんな状況が起きたらくだんない問答をしていた奴を許さないと思う。


って言いたい。


あと、職質をやけに毛嫌いする人も動画でよく見るけど、あれも意味分からんな。後ろめたいことがないのなら心情的に不本意だとしてもさっさと協力して終わらせるのが一番手っ取り速いと思うし、仮に何かもの申したいなら然るべき場で意見を呈すべきであって、それこそ公務中のお巡りさんに制度とかルールの話しても対応は難しいだろうに。

総括して、

インプレッションや再生数ありきの世界の弊害ではあるが、わざわざお巡りさんにたてついてあまつさえその様子を自ら動画で挙げているやつが目に付くけど、お前が困らせている警察官の給料はおれの税金でも支払われている形になっているから、おれのお巡りさんをくだらねぇことに付き合わすな。頼むぞ。


警察官をおれは応援したい、という記事でした!