※区内一般道の大動脈、環七通り
6月某日。土曜日。正午過ぎ。
梅雨入り間際の都内は、今年数度しか訪れていない、貴重な、初夏を感じさせるさわやかな晴れ具合だった。
その空模様に反し、おれの心はやさぐれ、濡れそぼっていた。
朝。
この日、朝の時点では、多くの人と同じように、久しぶりの休日の快晴に、足取りの軽さがあった。
何故。
何故、おれの心は今、荒涼感に満ちているのか。
何故。
それは……
パチンコに負けたからだっっ!!
しょうもない導入で失礼。
この間、久しぶりにパチンコを打ったのだが、日ごろ身を粉にして働くサラリーマンになぜか神様は微笑んでくれないようで、昼過ぎ早々にホールから追い出された(いや、もちろん自分で出たのだけど)。
まぶしい太陽に悪態をつきたくなる気持ちでふらふらとホールから遠ざかる。
ここはどこだ。
そう、そうだ、中野だ。
事の成り行きは、ここのところの転職うんぬんの繁忙具合の反動から、少し弛緩した空気に触れたく、以前に中野のパチンコ屋さんが調子いいと悪友に聴いたのを覚えていて、遠路はるばる中野までパチンコを打ちに来たのだった。
そして結果は早々にノックアウト。
しばし何も考えず熱中できる時間を作りたく、遊びに来たので負けてもいいか、くらいな気持ちではあったが、実際にお金が減るとじんわりとした嫌さが胃に残るね。くそう。
このまま中野駅から電車で千歳烏山に帰るのはあまりに無為だと思い、中野から京王線まで徒歩で帰る刑を自らに科した。
※いい感じの風情の食事処。心ここに非ずとも、アンテナは働いていたようだ
そんなイレギュラーな始まりの今回の散歩(または罰、とも笑)。
GPSログも作動こそさせるがスタート地点からしばし歩いたところでスクショを。
前回の方南町散歩の記事で書いたが、GPSログのアプリを色々試しており、今回も初めて使うアプリだ。
結論を先に書くと、このアプリは二度と使わない。
歩数だとか消費カロリーだとか、ヘルス情報がデフォルト画面に表示されていて、散歩の軌跡を残すには地図部分の領域が狭いのだ。
もちろん歩数やカロリーが常時気になる人はこのアプリがうってつけなのだろうが。というか、本番前におれもインターフェイスを確認してから試用しろよ、という話ではあるが。
この時の経験を糧に、何個かアプリを試しようやくおれ的用途に足るアプリを見つけられたので次回以降はこのアプリで行こうと思う。
今回は地図の画像が以前より小さいのだが気にせず。
中野から、京王線に辿り着くため南方面に歩を進める。
ほら、もうこの感じ。
店舗名や交差点名はかろうじて表示されているので、そこらへんの地理に詳しい人なら場所のあたりもつくが、肝心の駅名が表示されていないので、土地勘が無い人だとおおよその場所も分からない。
ログの線が細くてスタイリッシュなのでその点のみ、好評価だが。
上の地図の「杉山公園」の交差点左にある駅は丸ノ内線の新中野駅である。
そして地図を見て、今歩いている通りは中野通りということが分かった。
青梅街道を通り過ぎ、そのまま南下する。
のどかな空だ。
今日の負けさえ無ければ、、ぐぬぬ。
と、内省をしつつ外部の情報にも目を向けると、経年を感じる建物に遭遇。
「売り物件」と看板があるが……
建物は魅力的だが、時ちゃんラーメンを継がなければならないのだろうか。出来ればてんぱいラーメンにしたい。漢字で書いて「聴牌ラーメン」。
いや、そもそもパチンコの負けでひぃひぃ言っているおれがこんなとこの物件買える訳もねーんだけどねw
でもお店やるんだったらこういった建物も味のあるところがいいよね!
こういった面白い建物も稀にあるが、中野通りは基本、幹線通りで味気ない景色が続くので細い路地に入ってみる。
おお。
住宅街、嫌いじゃないぜ。
前回の方南町散歩でも住宅街エリアを歩いたが、明るい内に歩くとより、その地域に住んでいる人たちの様子が垣間見れて楽しい。
丸ノ内線分岐線の中野富士見町駅近辺に来ていた。
そのまま南に真っすぐ進み、神田川を超える。方南町散歩の時にも神田川は何度か出くわしたな。
というか中野富士見町の隣が方南町だ。
いい通りだ。
と、またしてもいい雰囲気のご邸宅発見。
青空に映える、堂々たる建築体!
中野から南方面ということだけは定めつつ、本当に気の向くままに歩いて来たが、なかなかいい建物に何個も出会っている。
こんなとこに運が働くか……、ホーリーシット!
といいつつ、歩いてカロリーも消費したからか分からないが、胃のもやもやは消化されてきていた。やっぱ人は体を動かさなければダメよね。
あんな薄暗い建物の中でレバー回しているのは不健康ってもんだ。
そんな前向きな気持ちを湧き起こしていたところで、それに呼応する建物が目の前に。
なんだーこれ、なんかアーバンだぞ。
地図で調べたところ「(株)日本ヴォーグ社」という、手芸の出版やスクールを事業とする会社のようだ。
めっちゃ横に広い社屋は学校とか寮のように見えるね。
南下を続け、方南通りにぶつかる。
方南町はこの間、来たばかりなのだがその時足を向けずに後悔した場所が一箇所あったので今回、いい機会だとその場所を目指す。
それがこちら。方南町の丸ノ内線中野車両基地。
歩道からだと金網が邪魔してしまうが方南通りを跨ぐ歩道橋から、金網を通さずに見ることが出来た。
この車両は丸ノ内線の車両?
すごく身長が伸びたテントウムシ、あるいは赤いバッタ、を彷彿とさせる車体が何本も。迫力はなかなかである。
レース開始前の赤いイモムシ達に別れを告げ、歩を進める。
方南通りは前回の散歩で少しなぞったのでここでも細い路地へ逃げ込む。
しかし、なんだかんだ方南通りに出てしまう感じに。
良さげなお店が並ぶ通りが。
そして結局そのまま方南通りに。
昼間に来ると車の往来が多く、前回とまた違った印象だ。
そして方南通りと環七の交差点に再び到着。
車の往来に加え、人通りも多い!
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました!!