タイトル:「お願い魅惑のターゲット」
リリース日:2006年6月10日
作詞:上田ケンジ、作曲:田中秀典、編曲・宮永治郎
14枚目の前シングル「肉体は正直なEROS」でつんくプロデュースは終了。
もちろん「ハロプロ」には所属した状態のアーティストだし、現役バリバリのアイドル。
しかし、次のシングルはインディーズからのリリース。
ファンクラブ向けDVDマガジンの最終作「Last DVD Magazine」では
「スタッフから“インディーズでならリリース出来るけど…”と言われて…」と涙ながらに正直に告白したのは斉藤さん。
思っている以上に事態は深刻だったのだ、、、。
なので一般のCDショップでの販売は無し。コンサートホールやライブハウスでの販売。
「インディーズ落ち」という言葉が適切かどうかはわからないが、とにかく一旦「野に下った」のは確かっぽい。
ってなそんなネガティブ要素を吹き飛ばした、、、いや完全に蹴散らしてしまったこの「名曲」。
いやぁーこのタイミングでこんな名曲を手にしてしまう「メロン」。
これは偶然でもなんでもなくて全くもっての「必然」なのだ。
ロック・テイストな楽曲をグイグイ引っ張るドラム、そしてウネりまくるベース。
そして、なによりもここでの主役はやっぱり「メロンのボーカル」。
そんな中でも特筆すべきは「微妙なひずみ」を含んだ柴田さんの「声」。
これがこの曲の強烈なフックとして聴くものの心を強烈に揺さぶる。
歌詞の面ではもちろん「対象」を「ターゲット」と呼んでしまう「狙い撃ち感」とザ・フー的モッズ風「ロック・ロゴ感」。
「赤い夕焼け」と「白い街灯」を「今すぐ全部消して」ってな色彩感覚。
「ミラーボール」と「星の夜」を「派手にスピンさせて」ってな(「ディスコ」「DJ」「ターンテーブル」を日常に落とし込む)映像感覚。
「明るく」「ポップ」で「ロックテイスト」。「元気」で「ノリノリ」なのに「泣けてくる」って、、、
こんな名曲感動しない理由なんてある?ないでしょ!あるわけない!絶対ない!
でもね予算がないと思われる中、制作されたPVは「灼熱天国」の特典映像からの名シーンをまとめた映像のもの。
ファンにとっては「大事」で「大切」で「めっちゃ貴重」な映像ですが、、、
一般リスナーにこの映像の波及力があるかってーとかなり微妙、禿しくビミョー。
そんな「熱狂的ファン」と「メロン」の閉塞的な状況はもうこの時点で生まれてしまっていたのだ。
オフィシャル・ライブDVD9本中、収録回数8回。
どのライブ映像も完璧なのだが、、、
あえてここで私が紹介したいのは「テレビ出演時」の映像。
私服同然の衣装をまとうメロンの面々は元々持っている「素人っぽさ」を説得力のある方向へ数百倍に拡大させる。
「ボーイッシュ担当」をあっさり捨て去り「ガーリー」に攻める大谷さんもめちゃくちゃカワイイし、、、
なぜなのかこのタイミングで「メガネお色気」ではない魅力を強烈に発揮する村田さんも素晴らしい。実に素晴らしい。
「つんくプロデュース」の終了、、、
「インディーズ」からのシングル・リリース、、、
「名曲」との出会い、、、
「素に近い」自分たちの魅力の表現、、、
「メロン記念日」はここへ来て、、、
大きな舵を切ることになる。
なった。